英文を音読する勉強法は半ば常識になりつつある。確かに、英語力を向上させるために音読は非常に有効な方法だ。しかし一方で、「音読が大事」という言葉だけを知り、正しい方法を知らぬまま自己流で音読をする人も多い。
「英語を音読しているのに、全く成績が上がりません」と相談に来る受験生が後を絶たない。音読を行う目的も目標もわからぬまま、「頭空っぽ」「思考停止」状態で音読をしても、ほとんど効果はない。
ここでは、あなたの英語力を確実に向上させるために「しっかり頭で考えて」「ネイティブの音声を聞いて」「繰り返しスラスラ読めるまで」勉強する音読の方法を解説する。
実際に、私が英文を読んでいるお手本音声を録音して公開しているので、かなり分かりやすいはずだ。ぜひ最後まで読んでいただきたい。
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動画解説!音読の方法
英語音読の効果
間違いなく、英語の音読は効果的だ。正しく行えば、短期間で英語力を大幅にアップさせることも難しくはない。
私は偏差値40以下の状態から4か月でマーチレベルの英語を読めるようになったが、英語学習の9割以上が「音読」だった。英単語、英文法、英文解釈、英語長文、分野に関わらず、英語を読む時は必ず声に出して読むことを習慣化した。
CDが付いている教材を使用するときは毎回CDを聴いて、その音声を真似するように音読する。CD音声のスピードでスラスラ読めるようになるまでしつこく繰り返す。
このような勉強を集中して繰り返せば、中学レベルから半年で共通テスト9割取ることも決して不可能ではない。3か月英語を勉強して共通テスト7割取れない人は圧倒的に勉強時間が足りないか、勉強法が根本から間違っているといっても良いくらいだ。
英語力を短期間で劇的に伸ばした人の勉強法を聞くと、ほとんどの人が音読を実践していた。音読学習は確実に英語力を伸ばすことが出来るし、短期間で伸ばすためには必須と言ってもいい。
[aside type=”normal”]英語力を短期間で伸ばしたいなら必ず音読しよう![/aside]
間違いだらけの英語音読7パターン
しかし、音読という言葉だけが独り歩きして、間違った方法で音読している人も多い。
- CDがあるのに聴かない
- デタラメな発音で音読している
- 恥ずかしさから、ネイティブの真似をして発音していない
- 英文の構造を理解しないまま音読する
- 文構造と和訳の対応を考えないまま音読する
- 頭の中で文の意味を考えないまま音読する
- 20回以上繰り返し音読していない
太字下線の項目は特に重要。これが出来ていない人は、ほぼ100%英語力を伸ばせていないだろう。逆に言えば、上に挙げた項目の逆をすればいい。
効果的に音読をするための9つのポイント
ここではあなたの音読学習の効果を最大化させるために必要な重要ポイントを挙げていく。
- 英語の音読をする目的を知れ!
- 英語音読の目標(ゴール)を忘れるな!
- ネイティブの発音・アクセントを覚えろ!
- 単語暗記を徹底しないと速読なんてムリ!
- 英文の構造を100%理解した精読を絶対しろ!
- 最初からスラッシュが入った教材を使え!
- リエゾンに慣れろ!
- ICレコーダー・語学プレーヤーを使ってゆっくり聴け!
- 最低20回、集中して音読しろ!
英語の音読をする目的を知れ!
英語はコミュニケーションのためのツールだ。本来は声に出して相手と意思疎通をするためにある。大学受験の英語ではスピーキングはないが、言語本来の目的を無視したまま勉強してはいけない。
英語は口を使うものであるから身体で覚えるイメージで習得しなければならないはずだ。
安河内先生はその性質を挙げて、英語は数学・国語だけでなく、体育や音楽などの実技科目の性質もあるということを指摘されている。
英語を音読するのは、頭だけで覚えるのではなく、身体で覚えるためだ。(これだけではないが)
また、英語を上達させるプロセスは、歌を覚えるプロセスと全く同じと私は考えている。
例えば新しく歌を覚えるとする。合唱コンクールなどで課題曲を覚えたいとき、あなたはどうするだろうか。
- 音源を聴いて雰囲気をつかむ
- 歌詞やリズムを覚える
- 歌詞や楽譜を見て、音源を聴きながらマネして歌う
- リズム、イントネーションを完璧にコピーする
- 徐々に楽譜から目を離して暗唱できるようにする
例えばカラオケというのは歌を覚えるのに最適だ。歌詞を見ながら歌う事が出来る。何回も何回も聞いて歌って、徐々に歌詞を見ないでも歌えるようになるという経験をしたことがある人は多いと思う。
英語を勉強するときも、ほぼ同じだ。何度も音源を聴く。真似して音読する。これを繰り返すことが基本であり全てだ。そこには「効率的に覚える」とか「簡単に覚えられる」といった考えは害悪でしかない。身体で覚えるまで繰り返すしかないのだ。
以上のように、英語は身体で覚える科目と考えていただきたい。
[aside type=”normal”]英語を音読する目的は、身体で英語を覚える、英語を読むときの思考回路を身に付けるためなのだ。[/aside]
英語音読の目標(ゴール)を忘れるな!
英語を音読していると、ついついそのゴールを忘れてしまう事がある。英語を音読して、最終的にどのような状態になればいいのだろうか。
- 発音・アクセントをきれいに出来る
- 英文の構造や和訳との対応を完全に理解している
- 英文をかまずにスラスラ音読することが出来る
- CDを聴いて、ほぼ同時に和訳を言う事が出来る
- 英語を英語のまま理解することが出来る
いろいろゴールは考えられるが、まとめると【CD音源を聴いて、そのスピードに合わせて音読をスラスラできて、同時に英文の内容を理解すること】だ。
音読のゴールはCD音源に合わせてスラスラ音読できて同時に内容を完璧に理解すること
ネイティブの発音・アクセントを覚えろ!
CDを聴いて、ネイティブスピーカーの発音を完全コピーしよう。英語の歌を覚えるとしたら、下手くそな発音ではカッコ悪いだろう。
英語でも同じ。ネイティブっぽい発音をするとなぜか恥ずかしい、といったよくわからない風潮があるが、実際に海外に行くと、下手くそな発音をする方がよっぽど恥ずかしい。
正しい発音やアクセントを覚える目的は2つだ。
- 間違った発音じゃネイティブには本当に通じない
- リスニングするためには正しい発音を覚えなければならない
英会話を学んだとしても、実際に海外に行って外人とコミュニケーションできるかはわからない。発音がだめだと外人に通じないからだ。
テキトーな発音でも、英会話学校の「日本人の発音慣れした先生」なら通用するかもしれない。しかし、外国にいる外国人には本当に通用しない。
スペインへ旅行に行ったとき、たいていのコミュニケーションは出来た。他の人が全然英語を聞き取れない、自分の英語を相手に理解してもらえない中、私の英語は普通に通用した。これは受験勉強の中で発音・アクセントや音読学習を徹底したおかげだと思っている。
しかし一方で「オレンジジュース下さい」と機内でCAの方にお願いしたとき、3回聞き返されたのはショックだった。日本語と化している英語こそ、間違った発音・アクセントとして覚えてしまうため、私自身も間違ったアクセントで覚えていたのだ。
テレビで、海外でお仕事をしている人が英語をしゃべっているのを見たことがあると思う。「こんな英語じゃ通じないだろ」というくらい下手くそな英語を平気でしゃべっている人もいる。本当に外人に理解されているのか怪しいところだ。
あなたが将来、外国へ行きたい、外国で働いてみたいと思っているなら、受験英語という小さい枠で考えるのではなく、本当に通用する英語を学ぶ姿勢を身に付ける必要がある。
また、人間は、自分が発音できない単語を聞き取ることが出来ない。普段から正しい発音やアクセントを意識していない人は、リスニング試験で全く点が取れない。
リスニング対策をどうこう考えるよりも、まずは正しく英単語の発音を覚えることが先決だ。
単語暗記を徹底しないと速読なんてムリ!
例えば、次の英文を読んでみてほしい。20秒くらいで理解できればかなり読解力がある方だ。
Children between the ages of three and five begin to ask many questions. The way parents handle their children’s questions is important. Some parents may be proud of their children’s development and happily answer all their questions. This encourages children to use their imagination and become more creative. (2014年共通テスト試験英語より。)
見た瞬間に単語の意味が分からないようでは、速読というのは絶対不可能だ。
- parent
- handle
- important
- be proud of~
- development
以上5つの英単語を5秒で意味を言えるくらいじゃないとダメ。速読速読、と言う前に、英単語の意味を瞬時に言えるようになる練習(クイックレスポンス)をしよう。
CD音源のスピードでスラスラ英文内容を理解するためには、最終的に英単語を見て0.1秒くらいで意味が頭に浮かぶ、あるいはイメージが浮かぶような状態にしなければならない。
英文の構造を100%理解してから音読しろ!
あまりに当たり前の話だが、SVOCMや接続関係を初めとする構造把握をしないままに英文を音読しても意味がない。
それでは、英文と和訳の単なる丸暗記になってしまうからだ。
また、英語音読をする際に、英文構造が全然理解できないと学習が捗らない。したがって、解釈力が足りないと感じたら早めに解釈を固めておこう。
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最初からスラッシュが入った教材を使え!
英文速読や音読をするときに便利なのが、英文にスラッシュを入れることだ。スラッシュの入れる場所は人それぞれで、どこでもいい。
ただ、音読に慣れていないと、どこにスラッシュを入れていいか分からないだろう。
したがって初めから英文にスラッシュが入った長文テキストを使用するのが一番手っ取り早い。
2冊とも、音読に慣れるためにはベストの参考書だ。『5STEP』は音読のやり方と手順を細かく解説している。
『速読トレーニング』はスラッシュだけでなく「どの単語を強く読めばいいか」一目でわかるマークがついているほぼ唯一の参考書だ。
リエゾンに慣れろ!
リエゾンとは、「check it out」を「チェケラゥ」と発音するように、子音と母音が連続した時にそれらの単語をつなげて読んだりする習慣のこと。
ぜひこちらを一読しておこう。
このリエゾンはおそらくほとんどの日本人が出来ていない。私が見てきた受験生の多くも、このリエゾンは全然できなかった。
しかし、リエゾンをマスターすることはリスニング力を向上させるために絶対必要なことだ。
「check it out」は「チェケラゥ」と言われるのに「チェックイットアウト」と覚えていたら、絶対に聴き取れないのは当然のことだ。
ICレコーダー・語学プレーヤーを使ってゆっくり聴け!
音読に慣れていない人は、付属CDの音声スピードについていけないだろう。速すぎてとてもじゃないけど音読できない!という人も多いはずだ。
そこで私は、ICレコーダーやスマホアプリの「語学プレーヤー」をおすすめしている。
ICレコーダーは音声録音をしたり、CD音源を取り込んで音楽プレーヤーとして使ったりすることが出来る。
私はオリンパスのものを愛用している。私は「OLYMPUS ICレコーダー VoiceTrek 8GB リニアPCM対応 MicroSD対応 BLK ブラック V-823」の前モデルを使用しているが、1万円以上とやや高価。
語学学習や暗記として使うには以下のモデルで十分だ。
これ以外にもいろいろモデルがあるので、興味ある方は探してみよう。「再生スピード調節が出来る」「CDから音源取り込みが出来る」モデルを条件に探そう。中にはCD音源を取り込めないものもあるので注意しよう。
ICレコーダーだけでなく、スマホアプリ「語学プレーヤー」でも遅聴き機能が付いている。
- iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 語学プレーヤー〈NHK出版〉
- 語学プレーヤー〈NHK出版〉 – Google Play の Android アプリ
こちらはかなり細かく再生スピードを調節できるので便利だ。
まずは0.8倍くらいの遅めのスピードから読み始めて、徐々に速めていけばよい。
最低20回以上、集中して音読しろ!
4、5回程度の音読回数では、とても「英語を身体で覚える」ことは不可能だ。最低でも20回くらいは繰り返し音読する必要がある。
とはいっても、20回音読するのが良いと言われたから、頭を使わずに20回英文を【棒読み】する受験生がいる。このように思考停止状態で勉強しても全く意味がない。
このような受験生は、英語の音読効果が上がらないだけではすまない。他の科目の勉強も思考停止状態でやっている恐れがあるので、本当に気を付けてほしい。
私は『基礎英文解釈の技術100』『速読英単語必修編』などのテキストは100回くらいは音読した。
20回以上音読しながら復習して進める。それを3周4周繰り返した。本当に大切なメイン教材は、回数などを数えることなく完全に身体が覚えてしまうくらいに繰り返すことが大切だ。
例えば『キムタツ式英語長文速読特訓ゼミ』という長文問題集では、20回音読することが義務付けられている。
音読の8ステップ+2つの上級向け勉強法
ここからは実際に英文を音読していく時のステップをご紹介する。ここで想定しているのは英語の音読に慣れていない初級者だ。
先ほど挙げた共通テスト英語の英文を使って実践してみよう。
Children between the ages of three and five begin to ask many questions. The way parents handle their children’s questions is important. Some parents may be proud of their children’s development and happily answer all their questions. This encourages children to use their imagination and become more creative. (2014年共通テスト試験英語より)
英文を音読するステップは以下の通りだ。
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- クイックレスポンスで英単語暗記
- 英文解釈の要領で構造把握と和訳との対応を精読
- リピーティング(3回)
- サイト・トランスレーション(4回)
- Read&Look up(2回)
- 日⇒英トランスレーション(2回)
- シンクロリーディング(4回)
- 加速トレーニング(5回)
- シャドウイング
- 同時通訳
ある程度音読に慣れている人は、上で挙げているステップを何個か飛ばして、いきなりシンクロリーディングやオーバーラッピングから入っても良い。
まずは上記で挙げたステップを1つ1つ踏んで、英文を身体で覚えていく感覚をつかもう。
3~8のステップまでで合計20回音読する。ただ20回音読するのは飽きてしまうので、いろいろやり方を変えて音読するのが効果的だ。
初級者の方は出来れば1日のうちに20回音読してほしいが、大変な場合は2日~3日に分けて行う。でも、初めのうちは最低でも1日で10回くらいは練習しよう。
それでは1つ1つ解説する。
クイックレスポンスで英単語暗記
まずは長文中の英単語、英熟語の発音を確認して、意味を即答できるようにしよう。前述したように、単語を見て瞬間的に意味がわかるようにしないとダメだ。
クイックレスポンスは、【英⇒日】【日⇒英】を即答できるようにする練習だ。CDがあれば、CDから流れてくる単語を聴いた瞬間に意味を言う。
逆に、日本語訳を見て瞬時に単語を言う練習もしよう。両方出来るようにすることでしっかり単語を覚えることが出来る。
もちろん、発音とアクセントにも十分注意して暗記しよう。以下で実践だ。
begin to ask | 質問し始める |
handle | ~を操る |
be proud of~ | ~を誇りに思う |
development | 成長、発展 |
answer | 答える |
encourage | 励ます、促進する |
creative | クリエイティブな、創造的な |
英文解釈の要領で構造把握と和訳との対応を精読
「英文解釈の勉強法」を参考に、英文の文構造と和訳をじっくり考えよう。
『速読トレーニング』の場合だと、文構造を解説しているページを見て精読すればいい。
『速読英単語 必修編』ならZ会のHPから文構造を解説した補助教材を手に入れることが出来る。
どの単語、フレーズが和訳部分と対応しているのかを丁寧に考える。
Children between the ages of three and five begin to ask many questions.
3歳から5歳の間の子供はたくさん質問し始める。
The way parents handle their children’s questions is important.
親が子供の質問をどのように対処するかは重要だ。
Some parents may be proud of their children’s development and happily answer all their questions.
子供の成長を誇りに思い、喜んで子供の質問全てに答える親もいるだろう。
This encourages children to use their imagination and become more creative.
これによって、子供は想像力を使ったり、創造的になったりする。
- the way SVという構文は関係副詞。知らない人はチェック。
- 主語がsomeの文は「○○するSもいる」と訳す。
- ④は無生物主語で訳すと自然。encourageは訳さなくてもそこまで支障はない。「想像力をより使うようになったり創造的になりやすくなったりする」でも可。
共通テストレベルの英文だが、英文解釈や構文を勉強していないときちんと訳すことは出来ない。この程度の英文は解説がなくても自分で訳したり、「ここはこういう構文だな」と見抜けないといけない。
リピーティング(3回)
ここで、実際に英文の音声をCDで聴いてみる。音声を聴くときは基本的にイヤホンを使う。スピーカーだと発音が聴き取りづらい。
最初は語学プレーヤーなどを駆使して、0.7倍~0.8倍くらいのスピードでゆっくり聴いてみよう。
この段階では正しい発音、アクセント、リエゾンに注意して聴き、正しく音読できるようにしておく。太字の部分を強く読み、下線でつないだ部分はつなげて読んでみよう。
(これらのアクセントやリエゾンが100%正しいとは限らないことは予めご了承いただきたい。)
Children between the ages of three and five begin to ask many questions. The way parents handle their children’s questions is important. Some parents may be proud of their children’s development and happily answer all their questions. This encourages children to use their imagination and become more creative. (2014年共通テスト試験英語より)
サイト・トランスレーション(4回)
「スラッシュで区切られた英文(センスグループ)を読む⇒その部分の和訳を言う」この順序で英文と和訳を交互に言っていく。このステップが素早くできるようにしてほしい。
最終的には頭の中で和訳を浮かべるようにしてほしいが、初めはしっかり和訳を声に出して言ってみよう。
声に出すとなると結構難しく頭を使う。わかったフリをしているとすぐに和訳を言えないものだ。したがって、英文を読んだ後にすぐ和訳を反射的に言えるトレーニングを繰り返すことは重要なのである。
ここでは上に挙げた和訳とは若干変わって、前から読む用の和訳にしている。
Children between the ages of three and five | 3歳から5歳くらいの子供は |
begin to ask many questions. | たくさん質問し始める。 |
The way parents handle their children’s questions | 両親がどのように子供の質問に対処するかは |
is important. | 重要だ。 |
Some parents may be proud of | 何人かの親は誇りに思うだろう |
their children’s development | 子供の成長を |
and happily answer all their questions. | そして喜んで彼らの質問全てに答えるだろう |
This encourages children to use their imagination | これによって子供は想像力を使い |
and become more creative. | より創造的になる。 |
Read&Look up(2回)
英文をセンスグループごとに読む⇒テキストから目を離して英文を暗唱する。
この段階を出来るようにするためには、ここまでの学習を集中して取り組んでいないといけない。棒読みしているだけでは絶対にこのステップは出来ないだろう。
しっかり英文を覚える意識で集中して英文を読み、頭を上げて英文を思い出しながら音読していく。
日⇒英トランスレーション(2回)
和訳を見て、英文を前から読んでみる。このステップを踏むことで、英文構造を意識したり理解することにつながる。
スラッシュ毎の和訳があるなら、前から英文を言ってみる。書いてみてもいいだろう。前から英文を理解するために、英訳することは有効だ。
シンクロリーディング(4回)
CDを聴いて、同じスピードで同時に英文を音読していく。音声がスタートしたら同じタイミングで同じスピードで読む。CD音源とシンクロさせて読もう。
このあたりからは徐々にデフォルトのスピードで読めるようにしてほしい。遅くても0.9倍くらいで。
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加速トレーニング(5回)
ここでは単純に読むスピードを上げる訓練。1.1倍速、1.2倍速と速いスピードで読めるようにしてみよう。
CDを使わずに黙読して、2倍くらいの超高速で読んでみても良い。負荷をかけて読むことで、デフォルトスピードがゆっくりに感じるようになるはずだ。
ここまでの練習で20回だ。きちんと集中して取り組めば、ここまででかなりスラスラ読めるようになっているはずだ。
1日でここまでのステップをやってもいいし、3日くらいでやってもいい。とにかく短期間で1つの英文を徹底的に読み込む練習をしよう。
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シャドウイング
英文をスラスラ読めるようにした後、さらにやってほしい音読練習だ。
シャドウイングは、テキストを見ずに、CD音声を聴いて音読していく方法。音だけを聴いて英文を読んでいくので、かなりの集中力を要する。
英文をある程度覚えておくことも必要だし、オーバーラッピングやサイト・トランスレーションなどをサクサク出来るようにしておかなければならない。
シャドウイングが出来ると、相当の速読力、リスニング力が身に付くことになる。英文を見ながら、「オーバーラッピング」の方の音声を使って、シャドウイングが出来るかやってみよう。
同時通訳
テレビなどで、同時通訳者の方が英語を聴いてその場で和訳を言う場面を見たことがあるだろうか?それをそのまま英語学習で行う勉強法だ。
CD音声を流して、英文を聴いたその場からどんどん和訳を言っていく。
- 声に出すのがキツイならまずは頭の中で訳していく
- 瞬時に、そして簡潔な和訳を前から順番に言っていく
- 少しずつ声に出していく
- 最終的に、同時通訳者みたいに和訳を言ってみる
同時通訳をすると爆発的にリスニング力が向上する。リスニング問題を同時通訳出来れば、理論的には100%リスニング問題が解けるようになる。
英文を聴いて瞬時に和訳できる反射神経を鍛えるには最高の方法だ。同時通訳まで出来るようになると、リスニング力はかなり向上するのでぜひおすすめする。
- 効果的に音読をするための9つのポイント
- 英語の音読をする目的を知れ!
- 英語音読の目標(ゴール)を忘れるな!
- ネイティブの発音・アクセントを覚えろ!
- 単語暗記を徹底しないと速読なんてムリ!
- 英文の構造を100%理解してから音読しろ!
- 最初からスラッシュが入った教材を使え!
- リエゾンに慣れろ!
- ICレコーダー・語学プレーヤーを使ってゆっくり聴け!
- 最低20回以上、集中して音読しろ!
- 音読の9ステップ+2つの上級者向け勉強法
- クイックレスポンスで英単語暗記
- 英文解釈の要領で構造把握と和訳との対応を精読
- リピーティング(3回)
- サイト・トランスレーション(4回)
- Read&Look up(2回)
- 日⇒英トランスレーション(2回)
- シンクロリーディング(4回)
- 加速トレーニング(5回)
- シャドウイング
- 同時通訳
音読の手順は、安河内先生と『5STEPアクティブリーディング』の和田先生が提唱されているものを参考にさせていただき、両者をミックスしたり私が適宜加えさせていただいた。
- 参考Web:音読ブームにだまされるな! | 安河内哲也 Official Site [www.yasukochi.jp]
- 参考書:5STEPアクティブ・リーディング―単語・聴解・読解・音読・確認 (アルク学参シリーズ)
素晴らしい記事、参考書を書いてくださってありがとうございます。
応用と実践の提案
いかがだったろうか。私は英語を大学受験を通してしか勉強しておらず、英会話やネイティブスピーカーと話したことはほとんどない。
恥ずかしながら、英文で何か文章を書くこともほとんど出来ない。大学での専攻は国語教育で、英語は全く出来ない。
大学での英語の授業すら1つも取っていないので、4年くらいほとんどまともに勉強していない状態だ。それでも、発音は人並み以上に出来ている自信はある。
ネイティブの先生に習ったことがないので、細かい部分で発音アクセントに間違いがあるかもしれないが、その点はご容赦願いたい。どのように読めばいいのか、その雰囲気だけでも伝えられたら幸いだ。
- 実践として、以下で紹介するテキストなどを使い、音読をしてみよう。
- ICレコーダーを入手するか、語学プレーヤーをダウンロードして、CD音源を入れて遅聴き&速聴きしてみよう。
- ある程度音読をしたら、ネイティブスピーカーが学校にいれば自分の音読を評価してもらおう。(出来ればネイティブに)
また、長文読解力や速読力を伸ばす勉強法については下記の記事もチェックしておこう。
大学受験レベルで、音読が上手になるおすすめ参考書
CD教材が付いていて、なおかつサイトトランスレーションやシャドウイングがやりやすい教材をおすすめする。
特に『英語長文速読トレーニング』は文構造の解説付き、アクセント記号付き、スラッシュ付きと、音読学習者の配慮がピカイチだ。
音読はあくまで手段。目的を忘れずに勉強しよう
かなり詳しく音読の方法について解説してきたが、音読の方法にこだわり過ぎてもいけないし、ただ音読をすればいいというわけでもない。
何度も繰り返し述べてきたように、「思考停止」状態で音読をしても意味はない。この点はしつこいだろうが何度も何度も強調したい。
音読を含む、あらゆる勉強法は、英語力を伸ばすためのただの手段だ。手段を目的化することなく英語学習をしていってほしい。そうすれば、あなたの英語力は確実に向上していくはずだ。
音読をすると速読力も付くが、何も速読力が英語の全てではない。下記の記事も合わせて読んでおいて、英語における読解力、速読力とは何か?を深く理解しておこう。
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