今回は安河内哲也先生の英語長文問題集『英語長文速読トレーニングLevel 1 』『同Level 2』をご紹介する。

安河内先生は『大学入試英語長文ハイパートレーニング』が有名だが、本書もコンセプトは同じで、より音読学習がやりやすくなっている。

今回は『英語長文速読トレーニング』2冊の内容、レベル、使い方を解説する。

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『英語長文速読トレーニング』とは

『英語長文速読トレーニング』はCD付きで音読学習もできる長文問題集だ。英文構造の解説の詳しさとCDが最大の特徴だ。私は勝手に「速読トレ」と呼んでいる。

  • [ジャンル]長文問題集
  • [問題数]それぞれ10題
  • [難易度]共通テスト:Level1は共通テスト易しめ、Level2は共通テスト難しめ
  • [到達レベル]Level1:共通テスト6割→7割、Level2:共通テスト7割→8割
  • [勉強期間]2週間:1題×10日+総復習
  • [使用目的]英文解釈のアウトプット、長文問題演習
  • [勉強目標]各英文をスラスラ読める、解ける
  • [対象者]解釈をアウトプットしたい人、速読力を強化したい人

問題集としての密度は高いが、問題数自体は少ないので、これ1冊で爆発的に成績を向上させることは難しい。たとえば『東大英語長文が5分で読めるようになる』などの読み込み教材とセットで学習すれば高い効果を発揮するだろう。

『英語長文速読トレーニングLevel 1 (安河内で自信をつける!)』は共通テストレベルの英文解釈を終えた後に学習すると良い。構文解説が詳しいので解釈のアウトプットに適しているだろう。レベルは共通テストの第3問~第4問くらい。長さは平均350語。

『英語長文速読トレーニングLevel 2 (安河内で自信をつける!)』は共通テストでもやや難し目の長文を中心に収録している。長さは平均500語。共通テスト第5問、第6問ほどの長さの長文の読み慣れに使える。

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『英語長文速読トレーニング』の良い点

  • 設問は読解問題中心で、共通テスト対策に向いている
  • SVOCMの解説、指示語の具体的内容の図示など本文解説が詳しい
  • CD付きで、スラッシュ付きの英文ページがあり、音読練習がしやすい
  • 長文を読み込むページで、単語の強弱をつける表記があり、よりネイティブのように音読できるようになる
  • 音のつながり(リエゾン)も表記してある。音読が苦手な人にはうれしい

最大の特徴は下の2点。このような配慮がされている長文問題集は他に見たことがない。音読が下手な人は「抑揚をつけて読めない」「音のつながりを意識して読めない」傾向にある。それをきちんとわかった上で教材を作ってくれているのが嬉しい。

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天流先生のAmazonレビュー>英語長文速読トレーニングLevel 2 (安河内で自信をつける!)』が最もよくこのテキストのメリットを挙げているだろう。

最近の共通テストの傾向も考えると、共通テストや経済学部系の学部をメインに受験する人は『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2』よりも本書の方が向いているかもしれない。

『英語長文速読トレーニング』の使い方

  1. 制限時間を測って問題を解く。
  2. 設問には「本文のどの部分と照らし合わせて正解or不正解」をノートにメモしてから解く。
  3. 訳しづらい英文は構造把握と和訳を書いてみるのも良い。訳せない英文をたくさん見つけてきちんと勉強することがこの段階では重要。
  4. 答え合わせと解説を読み、本文と「選択肢」の精読を行う。
  5. CD音声を聴きながら、スラッシュ訳のページで音読練習を行う。
  6. 参考書に書いてあるアクセントとリエゾンに特に注意しながら、やや大げさすぎるくらい強調して英文を音読する。

この参考書で特に意識してほしいことは「CD付きとスラッシュトレーニングのトレーニング」「アクセントとリエゾンを身に付ける」ことだ。

設問は正誤問題がメイン。いい加減な読みを防ぐために、この段階から「リーズニング=根拠をメモして問題を解くこと。なぜその答えになるのかを明示すること」を実践しておこう。

意外に大事なのが選択肢を正確に訳せるかどうか確認すること。共通テストで8割とれない人は選択肢を正確に訳せずに引っかかって失点するケースが多い。

したがって、このテキストを勉強する時には選択肢を正確に訳し、場合によれば訳を書いてみることも有効だろう。CDは選択肢の英文も収録しているので、しっかり読み込んで丸覚えしてしまうつもりで勉強しよう。

『ハイパートレーニング』『レベル別問題集』との比較

安河内先生はこの本の他にも『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 共通テストレベル編『英語長文レベル別問題集 4(中級編)』などがある。

CD付きで構文解説が詳しいのは共通で、英文の長さや設問が微妙に違う。それぞれ比較して自分に合いそうなものを選んでみよう。

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