大学入試の世界史は、近年人気が高まっている科目です。しかし、あなたは「世界史は日本史と比べて取っつきにくい」「どのように勉強すればいいかわからない」といったお悩みを抱えてはいないでしょうか?

私自身、世界史は苦手科目でしたが、苦労の末に得意科目にして、早稲田の世界史でも8割~9割得点できるようになりました。

それは「イメージを付ける事」「教科書型テキストを徹底的に覚えこむ事」そして「過去問をガンガン解きまくって穴埋めをした事」が要因です。

たとえいま、どんなに世界史の知識に乏しくても、これから解説する方法で勉強してもらえれば、必ず世界史で合格点を取ることができます

予備校に通っていなくても、学校の授業を受けてなくても問題ありません。参考書のみで世界史を攻略する方法をご紹介します。

  • 世界史を受験で使うが、勉強法が全く分からない
  • 教科書を読めと言われたが、教科書の内容を理解できない
  • 歴史の流れやヨコのつながりを全然把握できない
  • 共通テストで8割以上得点したい
  • マーチレベルの試験で7割~8割取りたい
  • 早慶上智レベルの試験でも7割取りたい

このような人は、ぜひこの記事を読んでいただきたいです。1つ1つのお悩みに対しての答えを用意しているので、下記の目次から、お目当ての情報を得てください。

1から勉強法を学びたい人は、少々長くなりますが上から順に丁寧に読み進めてみてください。

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こんな勉強法では落ちる!? 間違った世界史の覚え方

まずは、受験生がよくやってしまう勉強法のタブーをご紹介しましょう。私自身、最初はこういった勉強法を繰り返しては挫折していました。

いきなり一問一答で暗記する

用語を教科書などを読まずにいきなり暗記しようとしても失敗します。

理由は2つ。

  1. 流れがわかっていないと只の丸暗記になってしまう
  2. 入試問題に必要な形で用語を覚えることができない

特に2つ目が重要です。たとえば共通テストはそのほとんどが正誤問題です。この正誤問題は簡単そうに見えてけっこう難しく

誰が(何が)、いつ、どこで、どのような理由で、何をしたかといった知識を確実に整理した状態で覚えていないと答えることができないのです

つまり、一問一答で用語単体を覚えたとしても、それは試験に答えることのできない形で覚えることになってしまいます。

注意してほしいのは、一問一答を使ってはダメと言っているのではありません。一問一答だけで用語暗記をしてしまうのがダメと言っています。教科書などと併せて使えば、知識の確認や整理をすることができます。

一問一答は必ず教科書型テキストとセットで使うべきです。

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理解できない教科書を無理やり読んでいく

教科書は実は難しいです。これは世界史が苦手な人は強く思ったことがあるでしょう。教科書というのは簡潔だが、それゆえに説明不足なところも多々あるのです。

詳しく説明すると『ナビゲーター世界史』『青木世界史講義の実況中継』のように4冊から5冊にもなる世界史を、たった1冊でまとめています。様々な情報が省略されていて、初級者には非常にわかりづらいのです。

逆に、世界史が得意な人にとっては最高に面白いのも教科書です。それゆえに世界史が得意な人(教師)ほど、教科書を強く薦めてくることが多いです。先生に薦められたから、全然理解できない教科書暗記を頑張ってやっている受験生も多いです。

しかし、理解できないものは当然覚えることができず、最後まで教科書暗記をやり切れる人は少ないでしょう。

教科書を読む前に、『青木世界史B講義の実況中継 シリーズ解説と使い方』などの講義本や『マンガ世界の歴史がわかる本シリーズ』などのマンガなどで通史のイメージをつけることをおすすめします。

これは後で具体的に説明しようと思います。教科書が難しい場合はマンガや講義系の参考書を先に読むべきですね。

講義本や教科書を読むだけで問題演習をしない

世界史も理解が大事だから、講義本を繰り返し読むことに集中したいんです。

こういう受験生は多いです。私も受験生の頃は暗記や問題演習を避けたくて、『ナビゲーター世界史』の通読ばかりをしていました。

しかし、それでは結局実力はつきません。前述のように、世界史は入試問題を解けるかが最終的に重要で、問題演習をしないと得点力は絶対につかないからです

したがって、私はインプット即アウトプット式勉強法をおすすめします。教科書を読んだらすぐ一問一答を解いたり問題集を解く。共通テスト過去問を解く。

このようにすぐに問題を解くことで、実戦的な世界史の知識を身に付けることができます

教科書型テキストを勉強したらすぐに問題を解いて実戦力を身に付けるべきですね。

 

ゼロからでも独学でも世界史で9割得点できる3ステップ

ここでは世界史を攻略するための勉強法や参考書を解説します。世界史で合格点を取るためには以下の3つのステップを踏むだけ。

  1. 教科書を読むためのイメージをつける
  2. 教科書型テキストを完璧に覚える
  3. 過去問演習で穴埋めをする(他分野対策も並行で)

 ここでは具体的な参考書を紹介していますが、類書で代用できるならそれでもOK。他の参考書については「世界史 参考書 おすすめ」ページをご覧ください。

 

教科書を読むためのイメージ・基礎知識をつける

前述のように、教科書を読むのが難しいくらい基礎知識やイメージがない人は、まず世界史のイメージ固めをしなければなりません。

マンガ世界の歴史がわかる本

マンガ世界の歴史がわかる本 「古代四大文明~中世ヨーロッパ」篇』は世界の歴史の流れをざっくり表現していて、世界史の知識がゼロの人でも必ず流れを掴めるようになっています。

Gakkenに『世界史 古代~近代へ―大学受験らくらくブック』というマンガもありますが、こちらは登場する用語がけっこう細かく、初心者には難しい部分も。

使い方は特に難しいところはなく、繰り返し何度も何度も読むだけです。

  • マンガ世界の歴史がわかる本 「古代四大文明~中世ヨーロッパ」篇
  • マンガ世界の歴史がわかる本 「大航海時代~明・清帝国」篇
  • マンガ世界の歴史がわかる本 「フランス革命~二つの世界大戦」篇

これらのマンガを3周から5周し、「ローマ帝国はこんな時代だよ」「前漢はこんなことがあって、後漢はこんなことがあって…」といった各時代のおおまかな説明をできるようにしましょう。

そこまでできれば学校の授業や教科書も理解できるようになるはずです。

青木世界史B講義の実況中継

『青木世界史B講義の実況中継』は世界史受験生に人気の講義本。難関私大にも対応できる細かい説明がいいです。

しかし、合計5冊あるので、一気に通読するには向いていません。基本的には教科書でわからないところが出てきた時に、その部分を読む、という使い方をしましょう。

教科書型テキストをある程度勉強した早慶上智志望の人は、ぜひじっくり読み込んでほしいですね。

個人的には付属CDがおすすめです。このCDは世界史の要点を1冊あたり約1時間でざっくり解説してくれます。

本書の内容は難しいですが、CDの内容は初学者でもわかるくらい易しいです。このCDを繰り返し聞くだけでもかなり流れがわかるようになります。

同じジャンルの講義本として、『ナビゲーター世界史B (1)』シリーズも。実況中継より用語が細かくないので、国公立志望者の人はこちらの方が良いでしょう。

 

教科書型テキストを完璧に覚える

世界史の基本戦術は何と言っても教科書を完璧に覚えること。教科書知識を完璧にすれば、共通テスト9割、マーチ合格点、早稲田の世界史が簡単な学部で合格点を取ることもできます

したがって、あなたの世界史の勉強で最も時間をかけるべきなのはこの教科書型テキストの暗記です。10回20回と復習するつもりで、完璧に教科書知識を頭に叩き込んでほしいです。

さて、ここで何度か私は「教科書型テキスト」という言葉を使用しています。これは教科書以外にも、教科書のような扱い方が出来るノート型参考書や問題集のことを言います。

予備校のテキストなども、教科書型テキストとして扱えるものもあります。これらのテキストを1冊でいいので完璧に覚えましょう。

基礎レベル:流れ図で攻略 詳説世界史B

流れ図で攻略詳説世界史B』は資料集として優秀な『流れ図 世界史図録ヒストリカ』で掲載している流れ図を左ページに、右ページに教科書型の穴埋め文章という構成です。

教科書よりも分量が少なく、総用語数は1500語くらい。非難関大学や共通テストレベルなら、このテキストを覚えることで必要な知識を身に付けられます。

「流れ図」が非常に優秀で、タテの流れ、ヨコのつながりを視覚的に理解できます。加えて基礎知識も同時に習得できるでしょう。

世界史初級者の「流れを理解したい。各国の関係を整理したい。基礎用語絞って覚えたい」といった要望を全て叶えてくれる問題集です。使い方は下記を参考に。

 

マーチ:書き込み教科書詳説世界史―世界史B

『書き込み教科書』は山川出版の教科書の太字を空欄にした穴埋め型教材です学校で世界史の教科書を使用している人が、定期テスト対策から使える参考書です。

よく「教科書を読めと言われても、ただ読むだけでいいんですか?」といったご質問をいただきます。これに対する答えは「書き込み教科書の穴埋めを即答できるようになるまで繰り返し読め」です。

ただ読むだけじゃダメです。重要用語である太字の部分を即答できるようになるまで覚えて初めてテストや試験で得点できるようになります。

共通テストで8割以上、マーチレベルで合格点を狙っている人は、まずはこの教科書レベルの用語を完璧に覚えることが目標です。

アウトプットとしては下で紹介している一問一答や『共通テストへの道世界史』などを解くとよいでしょう。

 

マーチ:入試に出る 世界史B 用語&問題2000

『世界史B用語&問題2000』はZ会の一問一答。この一問一答は必須ではありませんが、教科書暗記の確認用として使うとよいでしょう。主な対象者は私立受験者。

他の一問一答と比べると「入試で使われた文章をベースにしている」「流れ、要点まとめが右ページに掲載されている」といった点で使いやすいです。

①教科書を1章読む⇒②一問一答で確認 といった流れで勉強するとよいです。

この一問一答はタテ割り構成で「近代ヨーロッパ」「中国史」といったように地域別、各国別で覚えることができるので、教科書だけだと整理しづらい各国史の知識をきちんと整理したり集中的に覚えたりできます。

 

共通テスト9割:共通テストへの道世界史

『共通テストへの道』は共通テスト過去問を編纂した共通テスト特化型の問題集です。共通テストで9割以上の得点を目指す国公立志望者は迷わずこのテキストを使いましょう。

共通テストで6割~7割程度の人が使い始めると良い。それ以下の人が使うと若干厳しいかも。

教科書や用語集をきちんと使えばやれないこともないが、そういった人はまず書き込み教科書などの勉強を徹底するべきだ。

私はこのテキストを使用せず、共通テスト過去問をひたすら全て解くという勉強を行っていました。

この問題集は章ごとに分かれているので、本当にランダム配列の問題でアウトプットしたい人は『共通テスト過去問研究 世界史B (2017年版共通テスト赤本シリーズ)』などの赤本をガンガン解くとよいでしょう。

過去問演習で穴埋めをする(他分野対策も並行で)

教科書型テキストを勉強すれば、その時点で過去問で5割~6割程度は取れるようになっているはず(合格点マイナス10%程度)。

そこまで知識を固めてれば、おそらく解説を見れば、ほとんど一度は見たことのある用語がある状態のはずです。

この段階までくれば、あとはどんどん過去問を解いて「実戦的な得点力」を身に付けるだけで合格点が取れるようになります。また、論述問題がある人は過去問を解く前に論述対策の問題集を勉強しておきましょう。

論述対策については『段階式 世界史論述のトレーニング世界史論述練習帳new』などの参考書を紹介してます。

共通テスト過去問研究 世界史B

共通テストで高得点を目指す人は、やはり共通テストの過去問を出来るだけたくさん解くことが重要でしょう。

おすすめの解き方としては「3~5年分解く」⇒「教科書を復習」⇒「3~5年分解く」といったサイクル。

過去問を数年分解けば、「近代が苦手」「東南アジアが苦手」「イスラム史が苦手」といった弱点が浮き彫りになるはず。

そういった時代や分野を、教科書型テキストや一問一答で集中的に復習しましょう。

このサイクルを10年分、15年分と繰り返せばどんどん穴がなくなり、安定して高得点を取れるようになりましょう。

 

各大学の過去問シリーズ

あなたの志望大学の過去問を、学部問わずにどんどん解いていきましょう。8割以上の高得点を狙うなら、30年分~40年分の過去問の世界史を学部横断で解くことをおすすめします

特に私立大学は問題の好みがハッキリしているので、商学部、文学部、教育学部、政治経済学部…というようにいろんな学部の世界史を解きまくることで、そういった出題傾向が面白いようにわかってきます。

私は、早稲田の「文化構想」⇒「文」⇒「教育」⇒「政治経済」⇒「法」⇒「商」⇒「社会科学」の順で、すべての世界史の入試問題を解きました。

最初は5割程度の得点だったが、何度も穴埋め復習をしながら演習をしていくうちに、安定して7割、8割と得点できるようになりました。

問題集や一問一答を勉強しているだけではなかなか浮かんでこないような用語も、実際の入試問題で出会うという経験値をたくさん積むことにより、面白いくらい用語が出てくるようになります。

 

文化史:青木世界史講義の実況中継⑤文化史

文化史対策としては『【文化史対策】佐藤の世界文化史一問一答』が有名ですが、レベルが高すぎて早慶上智志望の人くらいにしか合いません。

それに対して、実況中継の5巻は難しい用語はあまりないので、共通テストからマーチレベルの文化史はこの本を覚えることで対策できるでしょう。

文化史は避けられがちで、勉強がはかどらない人も多いです。そういう人はこの本に付属しているCDを繰り返し聞いて覚えるのがおすすめ。

青木先生の世界文学や音楽の話で、世界史に興味が湧くこともあるでしょう。私はこの本をきっかけにクラシックCDを聴きまくりました。おかげで音楽関連の文化史は完璧に解けるようになりました。

 

現代史:佐藤の世界史 現代史の特別講義

現代史を苦手とする人はとても多いです。私も現代史が特に苦手でした。

この本は第二次世界大戦後の冷戦や中国情勢、中東戦争、東欧社会主義圏の解体など、苦手とする人の多い分野をわかりやすく解説してくれています。

ひとことで言えば「この本を読めば現代史の流れがよくわかる」ようになります。時期・対象者を問わず、ぜひ本書を読んでみましょう。

この本を読み、教科書の現代史部分を覚えこむ。この作業を繰り返せば、最重要と言える現代史を得点源にできます。そうなれば世界史全体でも安定して得点できるようになるでしょう。

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早慶上智:実力をつける世界史100題(Z会)

まずこのテキストの注意点は難しいため必要な人がほとんどいないこと。

使用条件は私立の浪人生で英語国語で既に8割以上過去問で得点できていること。それくらい余裕がある人が取り組んだほうが無難です。

早慶上智レベルの最難関私大を受験する人は、やはり教科書だけでは足りないことも多いので、このテキストでハイレベルな用語も押さえていきましょう。

レベルが高いので、教科書を一通り覚えた後で使うのがベストです。背伸びした使い方もできなくはありませんが、問題量も多いので使いこなせずに落ちるというパターンに陥る危険性があります。

早くから世界史の勉強を始められる早慶上智志望の人は、こちらを教科書型テキストとしてもいいでしょう。ただしその際も『流れ図』やZ会の一問一答は覚えておいてから取り組むようにしましょう。

理想的な使い方は、夏休みや秋初めから使い始めること。間違っても直前期になって慌ててやってはいけません。

 

手元に常に置いておくべき資料集と年代暗記本、用語集

世界史の勉強では、資料集が必須。常に教科書の横に資料集を置いて、絵や図を眺めたり、事件の細かい解説を読んだりするのに使用します。

用語を文字だけで覚えるのと、イラストで覚えるのとでは、覚えやすさは段違いです。

流れ図世界史図録ヒストリカ

こちらは上でもご紹介した『流れ図で攻略』の資料集版。『流れ図で攻略』を使用しない人は、こちらの資料集で代用しましょう。

世界史のタテの流れとヨコのつながりを図式化した流れ図が掲載されていて、非常にわかりやすいです。

初級者の段階ではこの良さがイマイチわからないのですが、勉強を進めれば進めるほど、この流れ図の良さがわかってくるようになってきます。

常に手元に置いて、流れ図を頭にそのままインプットしてしまうつもりで、何度も見ておきましょう。

『流れ図で攻略』の方をテキストとして使用する人は、『山川 詳説世界史図録』など別の資料集を使うとよいでしょう。

 

新世界史頻出年代暗記

年代を覚えるべきかどうか。当然、出来るだけ覚えておいた方が有利に決まっています。共通テストレベルであっても、年代を覚えることで高得点を狙うことができるので、年代は100個~300個を目安に覚えてみましょう。

この『新世界史頻出年代暗記』はかなり多くのゴロを掲載しているので、最難関大学を受験する人向き。共通テストのみの人は『ベック式! 世界史ゴロ覚え (快適受験αブックス)』がいいです。

最近は『ゴロ合わせ朗読CD付 世界史まるごと年代暗記180』などユニークな本も出ています。年代暗記はゴロの相性などもあるし、無味乾燥な暗記になりがち。

楽しく覚えられるものがあるならそれを使っていけばいいんです。

世界史B用語集 改訂版

世界史で分からない用語が出たときは、用語集で調べるようにしましょう。いわば世界史の辞書にあたるのが用語集。なるべく手元に置いておきたいですね。

最近は電子辞書の中に入っていることもあるようなので、電子辞書を持っている人はそれで十分です。

たまに「早慶を受験するなら用語集を全て覚えなければなりませんか?」という質問がありますが、そんなことはありません。

逆に、模試や過去問を解いて知らない用語が出た時には用語集で調べるクセをつけましょう。

出題頻度がかなり低い用語は覚えなくていい、というように線引きをした方がいいです。覚えるべき用語をしっかり覚えて、覚えなくてもいい用語をムリに暗記しないようにすることが重要です。

 

世界史カリキュラム:志望大学別 軸とすべきテキスト

ここでは簡単にメインとして使うべきテキストや参考書の接続を挙げておきます。

  • 【全員共通】マンガ(⇒難関大受験生は実況中継orナビゲーター)
  • 【全員共通】共通テストのツボ+流れ図で攻略(教科書)
  • 【共通テスト8割】流れ図⇒共通テスト過去問 ※1
  • 【共通テスト9割以上】共通テストへの道
  • 【早慶上智】実力をつける世界史100題※2
  • 【理解補助用】ナビゲーター・実況中継

※1 共通テスト対策で足りない分は『改訂版 共通テスト 世界史Bの点数が面白いほどとれる本』や教科書で補充。

※2 『100題』は共通テスト8割以上の実力がないと辛いです。したがって教科書程度の知識は一通り覚えた後に取り組むようにしましょう。100題ではなく他のテキストでもいいです。早稲田文、慶應文くらいなら教科書で十分。

教科書型テキストは、予備校のテキストでもいいでしょう。十分に用語が収録されているものなら類書でも構いません。上に挙げたのは、あくまで例でしかないです。参考書は微妙に変わってもいいです。

ゼロから参考書で勉強する人向け

私が今、世界史をゼロからやるとしたら、以下のような順番でやると思います。参考にしてください(基本的に早慶上智志望者向け)。

  1. マンガをイメージが湧くまで繰り返し読む。
  2. 共通テストのツボ世界史』などを読みながら流れ図をオレンジペンと赤シートで暗記。それと実況中継のCDも合わせて繰り返し聴いておく
  3. マンガ復習。そのあと実況中継を精読しつつ、流れ図を復習。完璧に覚える。実況中継のサブノートは放置で
  4. 共通テスト過去問を3年分くらい解いてみる。得点が7割以下の場合は明らかに復習不足があるはず。勉強法を見直し全教材を徹底的に復習する
  5. 共通テストへの道を勉強する。共通テストの人は『共通テスト面白いほど』をやってもいいです。その後共通テスト過去問を20年分以上解いて、8割〜9割で安定するまで勉強する(マーチでもここまででかなり戦える)
  6. 志望大学の過去問を3年分解く⇒テキスト復習⇒過去問解く⇒あとはこれの繰り返し。文化史や現代史対策、マイナー地域対策が必要だと感じたらやる。

このような手順で勉強すれば、そこまで大きな問題はなく進めていけるでしょう。流れ図は勉強が完了しても放置せず、常に流れ図を見ながら勉強しましょう。資料集のヒストリカを使用してもいいです。

「○○対策は必要ですか?」というご質問にはお答えできません。過去問を解いて判断するべきだからです。あらかじめお伝えしておきます。

教科書をメインとする現役生向け

  1. 教科書が理解できない場合はマンガや流れ理解本を読む。
  2. 定期テストに合わせて書き込み教科書を暗記。共通テスト8割、マーチまでの人なら教科書と心中するつもりで何十回も復習。私立なら一問一答を併せて使ってもいいです(が必須ではありません)
  3. 夏までに何周か教科書を読み、共通テスト過去問を3年分くらい解いてみる。思ったより得点出来ない場合は勉強法見直し。「どういう風に覚えないと得点できないのか」などを考える。
  4. 夏以降も基本的に教科書を読みながら「100題」「共通テスト道」などの実戦的な問題集を勉強する。教科書は入試までずっと復習してほしいです
  5. 冬には過去問⇒テキスト復習のくりかえし。他分野も過去問解きながら適宜対策。

 

これを外してはダメ!世界史勉強法の原則

私は世界史を勉強する際、勉強法がイマイチよくわからず苦労しました。この記事を読んでくれているあなたは安心して勉強法を実践してほしいです。

ここでご紹介する原則は、全て【あたりまえ】のことばかり。しかし、そのあたりまえを徹底できないから成績が伸びないのです。

あたりまえのことを徹底すればそれだけで成績は伸びます。バカにしないで1つ1つ実行しましょう。

世界史マンガ・講義本の勉強法:流れの掴み方

マンガや講義本の勉強法は基本的には読むだけでよいです。世界史という(hi)storyを理解することを意識して読み進めましょう。

ただし、読むだけでイメージが身に付く人とそうでない人がいます。そこでイメージ定着を確実にするための勉強法を提案します。

各章を読み終えた後に、その時代の概略を説明してみる

これだけです。たとえば、

  • 古代ギリシャでは何があったか
  • 古代ローマでは何があったか
  • 叙任権闘争とは何か
  • イスラム教はいつどこでだれが創ったのか
  • 英仏100年戦争はどういう戦争だったか
  • ウェストファリア条約が及ぼした影響とは
  • アメリカ独立戦争はなぜ起こったか
  • なぜ2つの世界史大戦が起こったか
  • 冷戦とは何か。いつ終わったか

このような「何があったか」「なぜ起こったか」を簡単に説明できるようにしましょう。マンガの学習期間だが、1週間を目安としたいです。

一気に読むことが重要です。ダラダラ読んでいては流れをつかみづらいので。

1週間で2周3周して、その後も何回か読むことをおすすめします。特に世界史が苦手な高校生は早めにマンガを読んで授業を理解できるようにしましょう。

講義本は本によって分厚さが違うので何とも言えないのですが、1か月程度で終えられるようにしてほしいです。

あなたが高校3年の4月から勉強を始めるとすれば、4月~5月ではマンガと講義本を読んで、6月~8月までみっちりと教科書暗記を行えるようにしましょう。

マンガ・講義本は他人に説明できるようにせよ!

教科書暗記の仕方

書き込み教科書世界史B』などを使用して暗記するといいでしょう。もちろん学校で使用している教科書の太字を緑ペンで塗って穴埋め問題集にしてもいいです。

教科書は授業の進度に合わせて5回程度はくりかえし読みましょう。読むたびに少しずつ速読できるようにすると効率的に復習できます。教科書を勉強する時は資料集や年号暗記本をそばに置いて勉強しましょう。

教科書暗記を進める時のアドバイスは1つしかありません。「根気よく暗記せよ!」です。教科書はぶっちゃけ面白くありません。簡潔すぎるので。しかし教科書を覚えないと話にならないのも事実

もちろん、教科書以外の参考書を使用してもいいですが、他の教科書型テキストも似たようなもの。根気よく反復して用語を覚えるという作業は絶対に欠かすことはできません。

覚悟を決めて、コツコツ継続して覚えましょう。

教科書暗記は10回20回という読み込みが原則。根気よく覚えましょう。

 

2か月で2000語覚える!一問一答の勉強法

まずは、もう一度確認。一問一答は単独で使ってはならず、教科書暗記と合わせて使うようにしましょう

教科書と同じ範囲をチェックしたり、あるいは2章前、3章前の復習を一問一答で行うというのも上手いやり方です。

具体的な一問一答の覚え方としては『一瞬で思い出せる頭をつくる 機械的記憶法』という本を参考にしてほしいです。この本の中で提唱されている速読暗記法やICレコーダーを使った記憶法を使用すると一問一答をガンガン暗記できます。

速読&即答で超高速復習!

例えば、あなたは『世界史 用語&問題2000』などの一問一答の1ページ分(約10問)を全て解くのに何分かかるでしょうか?たいていの人は5分くらいはかかると思います。

しかし私は1分ちょいくらいで復習できます。いや、1分くらいで復習できるようになるまで、高速で復習できるようにするのです。

つまり、たいていの人は1度2度解いたら終わりにしますが、私の場合は4度5度と繰り返し読んで、問題文を速読できるようにし、もちろん用語は1秒以内で答えられるようにします

こういう状態になるまで覚えこめば、10ページ分を10分くらいで復習することができます。

「世界史の復習量が多すぎて上手く回せません」という人もいるでしょう。そんなあなたはその日のインプットをもっとしつこく繰り返し行って、高速で復習できるようにしましょう。

そうすると復習にかける時間を半分以下にすることも可能です。

ICレコーダーでいつでもどこでも自動的に暗記!

用語暗記は結局、10回20回と反復しないといけない。ICレコーダー勉強法は、覚えたい用語の問題文を吹き込み、答えは吹き込まないで、その音声を聞いて復習するという方法です。数秒ポーズを入れて答えを吹き込んでもいいでしょう。

自分で吹き込んだ音声を使えば、いつでもどこでも、一問一答の復習をすることができます。20回反復なんて簡単です。

電車の中でも、家のお掃除をしている時でも、寝るときでも、いつでもどこでも復習ができます。

しかも、モチベーションはほぼ不要です。イヤホンをつけて再生ボタンを押しさえすれば、やる気がなくても自動的に問題が流れます。

音声が流れてしまえば聞き流しでも勉強できるし、問題が流れると答えたくなるものです。

機械的記憶法を実践して集中的に勉強すれば、2か月~3か月程度で2000語は記憶できるでしょう。あまり時間がない人でも、5月から始めて夏休みまでに教科書や一問一答をきちんと覚えることができるはず。

ぜひ音声を利用して10回20回と反復しよう

地図、国名は必ず覚えよう!

世界史学習において、主な国の場所、首都名、川の名前などを覚えることは必須事項です。地理が弱い人は世界史はかなり不利です。世界史を選択するならば、一刻も早く地図を覚えなければなりません。

地図が苦手な人は、常に資料集や地図帳を手元におき、少しずつ覚えるようにしましょう。全ての国名と場所を覚える必要はありません。

ただイラン、インドネシア、ポーランド、ギリシャ、トルコ、イスラエル、シリア、デンマーク、オランダくらいの場所は正確にわかっていないと話になりません。

なぜ地図を覚える必要があるのか?理由は二点あります。

  • どの国か、という地図の問題があること
  • どこで起きたかわからない事件を覚えることはできない

1点目は単純に地図を問う問題が出題されることがあるからです。2点目はひとことで言うと効率的な記憶のためです。人は自分のなじみのない場所で起きた事件を覚えることができません。

例えばニュースなどで、自宅の近くで何か事件が起きるといつまでも覚えていられます。しかし自分が行ったことも聞いたこともない場所で起きた事件はすぐに忘れてしまいます。

地図を最速で覚える方法は常に目に入る場所に地図を貼っておくことです。私の自宅のトイレには世界地図が貼られていました。

毎日地図を見る機会があり、おかげで主な国名と位置、首都はほとんど覚えてしまいました。

地図はやっぱり見る回数が多くないと覚えられないので、ぜひ家のどこかに地図をコピーして貼ってみましょう。

常に資料集を手元に置いて地図をきちんと覚えよう!

資料集を常に手元において勉強しよう!

世界史をよく覚えるためには資料集を見ることが有効です。 視覚的に覚えられるからです。人物や事件が絵や写真で載っていればほぼ一発で覚えられるでしょう。

文字だと自分でイメージするしかありませんが、絵や写真だと強烈に印象に残せます。

「ゴシック建築」と文字だけ覚えてもしっくりきませんが、実際の建物の写真を見ることで、一発で覚えられるでしょう。特に文化史を覚えるときに資料集は有効です。

また国や王朝の場所・版図を把握することも大切です。「ロンバルド王国の位置」「後ウマイヤ朝の領域」などはなんとなくでも頭に入れておかないと試験で点を取れないことがあります。

ただし全ての記述を読み込む必要はありません。細かい部分は後から読めばいいです。初めのうちは絵や写真を眺めるだけでも効果があります。

資料集を眺めて視覚的に用語を覚えよ!

まとめ、応用と実践の提案

  • 教科書暗記をスタートできるように、マンガや実況中継を読んでみる。
  • 授業の進度に合わせて教科書暗記を行う。定期テストでは9割を目標に覚えてみる。
  • 夏休みなどの長期休みを利用して復習や先取りの通史を行ってみる。
  • 即アウトプットを心がける。共通テスト過去問を買い、定期的に解いてみる。
  • 教科書型テキストをだいたい覚えたら、志望大学の過去問をガンガン解いてみる。
  • 文化史対策は教科書を覚えた後に始める。年代暗記本は常に手元に置いて、少しずつ覚えていく。

世界史は覚えることが多く、大変な科目。しかし、予備校に通わなくても確実に高得点が取れるようになる科目でもあります。

多くの人がつまずくのがやはり教科書です。教科書を理解して覚えられるようになれば、合格は近いです。2番目につまずくのが「用語暗記」だと思います。

だいたい流れが分かっても、膨大な用語量を覚えきるには、大量の時間を世界史に投資する必要があります。世界史を選んだあなたは、覚悟を決めて、根気よく、暗記に取り組んでほしいです。

世界史の用語を、楽に覚える方法などは存在しません。ただし、工夫次第で覚えやすくなることは間違いありません。この記事に書かれた参考書や手順を参考に、世界史の勉強を始めましょう。

下記はオススメ記事です。

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