受験生は手帳を1冊持っておくことをオススメします。 前述のように手帳に勉強の内容や成功体験を記録することでやる気の源泉を得ることができます。 また、忘れてはいけない重要事項のメモや計画を立てることができるからです。 私も受験生時代に『合格手帳 2014』という手帳を使用していましたが、手帳のおかげで勉強時間や勉強法を改善することができたのです。 ここではその活用法をお話します。

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勉強内容を記録する

手帳には毎日の勉強の記録をつけてください。 「英語1時間」というような書き方ではなく、『ネクステ112番~150番 56分』というように①具体的な学習範囲②かかった時間を記録するようにしてください。

具体的な学習内容を書く理由

学習範囲を書くことで、まず復習がしやすくなります。 1週間前、1ヶ月前はどこを勉強していたかわかれば、システマチックな復習が簡単に出来るようになります。 また1週間後に今日の復習をしたいならば、7日後の手帳のタスク(課題)欄に今日の日付を入れておけば復習モレがなくなるでしょう。 また受験勉強をしていく中でどうしてもモチベーションが維持できなくなった時、勉強の記録はあなたの努力の軌跡としてやる気の源になるでしょう。

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かかった時間を記録することで計画力アップ

それぞれのタスクとそれにかかった時間も細かく記録するようにすると、学習密度や学習効率を高めることができます。 「昨日はネクステを50問進めるのに60分かかったが、今日は90分もかかってしまった」ならば集中力ややり方に問題があった可能性を見つけることができます。 もちろん問題の質や難易度によって、かかる時間は変わるはずですが、目に見えて変化があるならば分析する手がかりになります。

またなるべく短い時間で学習を済ませる時の基準にもなります。だいたい漢字を100個進めるのに40分かかるならば、今日は1分だけ短い制限時間で終わらせられるようにスピードを意識して学習できます。 私ははじめ英単語を50個進めるのに30分以上かかっていましたが、最終的には200個進めるのに30分程度でできるようになりました。 「テスト直前の追い込み」のような集中力をつけるために、常に制限時間を設けて学習するように習慣化すれば、常人の2~3倍のスピードで学習することは簡単です。

計画→実行→反省の好循環をまわす

ビジネスで業務効率を改善するために「まずは計画を立て、実行し、反省や改善を行い、それを活かして計画を立てる」手法がよく用いられます。 私は手帳を使って無意識にこのプロセスを行い、毎日学習法を改善していました。このサイクルは「PDSサイクル」と呼び、「タイムマネジメントとPDSサイクル」で詳しく紹介しています。

計画Planの立て方とポイント

ゆとりをもった計画を立てる

計画倒れしないためには、まずゆとりを持った予定を立てることです。 完璧主義のために計画をこなせない人は多いです。 「100%頑張れば達成できる予定」は9割方こなせないので、1時間~2時間は最低でもゆとりを持って予定を立てるようにしましょう。

開始時間と終了時間も決める

また予定は「英語を何時間やる」と漠然としたものではなく、「ターゲット英単語の100~200個を5時から5時半までにこなす」というように開始と終了時間まで決めておくことが大切です。 学校の時間割を作るイメージです。拘束される感じがするかもしれませんが、人間ある程度の制約を課さないとサボってしまうものです。 特に浪人生は自分で時間割を作って必ずそのスケジュールとおりに動くようにしないと、学習習慣が付いていない限りはダラダラ毎日を過ごすことになります。

週間計画はおおざっぱに、1日の計画はやや細かく

計画は1週間ごとの予定はある程度大まかに、翌日(当日)の予定は少し細かく立てるようにしてください。 数日先までの予定を細かく決めてしまうと、学習がうまくいかなった時に微調整できずに計画倒れすることになります。

たとえば習慣計画では「ターゲット1~1000まで」という風におおざっぱに学習範囲を決めておきます。そして1日の計画では「ターゲット1~150まで」といった具体的な学習量を決めておきます。 これをたとえば「月曜はターゲット1~150、火曜は151~300、水曜は301~450…」という風にガチガチに決めてしまうと、計画通りに勉強できなかったときにすぐに計画崩れが起こってしまうことになります。

ノルマは2段階で設定する

最後に、目標やノルマは2段階で設定しましょう。普通のノルマと、「どんなに忙しくてもやる気がなくてもこれだけは絶対にこなす」という最低限ノルマの2つです。 部活やバイトで疲れて帰ってくる、用事などで忙しい人でも、5分だけなら毎日続けられるはずです。 全くの0よりはほんの少しでも勉強をすることで学習習慣をつけられますし、「疲れていても勉強できる」ことを続けることで勉強習慣をつけることができます

実行Doのポイント

計画を立てたら実行に移します。しかし集中し始めたら長時間できるけど、やり始めるのが遅い人は多いと思います。 詳しくは「勉強習慣を作る技術」を見ていただけたらと思います。

評価・反省Seeのポイント

計画や実行はするが、反省や分析はしない人が多いです。学習時間を増やしたら勉強法を改善するためにはこのステップは不可欠ですから、出来るだけ毎日行うことが大切です。 車のメンテナンスを怠り、毎日ひたすらアクセルを踏むような勉強をしていてもダメです。

  • そもそも進む方向は合っているのか?(戦略)
  • ガソリンは不足していないか?(やる気)
  • 効率はわるくないか?(スピード)

少なくとも週に一度は自身の勉強を振り返り、今のペースで間に合うのか、学力はきちんと身についているのか、正しい方法で覚えているのか。 間に合わないならどうすればいいのか。効率を上げるためにはどこを改善すればいいのか。こういうことを考えて答えを模索する作業が絶対に必要です。

私は勉強をしない時間も常に「どうすれば合格できるのか?」このことばかりを考えていました。ご飯を食べる時も、お風呂に入っている時も、散歩している時も。 起きている時間は全て受験に費やしていたといっても過言ではありません。昔からひとつのことにハマるとそれ以外のことは考えられないタイプなのです。

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このことを受験生に話すと「そこまでやる必要があるの?」と言われたり変人扱いされたりします。しかし私はこう思います。 あなたの時間の全てを投資できないのであれば、初めから志望校合格は、なんとしても達成しようとは思わない目標であると。なんとなく合格したいだけなのです。

毎日勉強の記録を書く。反省点や成功体験を書き、モチベーションを上げる、勉強法を改善する。 そしてまた計画を立ててください。このような好循環をまわすことができれば、あなたはどんどん成長することができます。 時間があればどこまでも成長することができます。時間がなければ効率を高めればいいです。

PDSサイクルをまわす

計画を立ててもなかなか計画をこなせないことはありませんか? 当HPの「やる気の原則」に関することを実践してみて勉強が続くようになっても、なかなか予定通りに勉強を進めることが出来ないかもしれません。 ここでは「適切な計画を立てて実行する」「時間を作り出す」ことについて詳しく解説していきます。 PDSサイクルとはこれはPlan、Do、Seeの略です。

  • ①計画を立てる
  • ②実行する
  • ③反省・フィードバック

以上のサイクルを回して学習状況を改善するというものです。

Plan―計画を立てよ

このステップでは、何をすべきか計画を立てます。Planを立てる上で大切なポイントを挙げます。

具体的なノルマを書く

やはり大切なのは「英語2時間、国語1時間」というような曖昧なノルマではなく、「英単語を100個覚える、問題集を○ページ進める」というように具体的なノルマを立てる事です。

全体のおおざっぱな計画⇒細かい計画を立てる

もう一つは、年、月、週、日と、大まかな計画を立ててから徐々に細かい計画を立てるということ。 いきなり1日、1週間の計画を立てると、そのノルマが1年後、半年後の入試に間に合う量なのか検討をつけることが出来ないからです。 必ず入試までの日数から逆算して計画を立てるようにしましょう。

全てのタスクを漏れなく洗い出す

勉強のノルマ(タスク)だけでなく、日常の雑事もタスクとして計画に入れておくことも大切です。 学校の行事があったり、親戚の家に行ったりなど、プライベートな予定のせいで勉強がうまくはかどらないことがないでしょうか。 そういう時はあらかじめ予定を入れておくことが大切です。

「書類を準備する」「お金を下ろす」「書店に本を買いに行く」などの細かいタスクもあらかじめ書き出しておき、それらのタスクも踏まえて無理のない計画を立てることが重要。 こういった予想・反省をすることで少しずつ計画上手になれます。

所要時間の検討をつける

ノルマ、タスクを実行するのにどの程度の時間がかかるかを検討しましょう。 もちろん、初めて実行するノルマはどの程度時間がかかるのかわからないでしょうから、まずは大まかな検討をつけておき、ノルマごとに大まかな所有時間を図っておきましょう。 (英単語100個覚えるのに何分かかる、特定の参考書を何ページ進めるのに何分かかるのかなど)

実行日時を決める

全てのノルマ、タスクについて期限、実行日時を決めておきましょう。期限だけでなく実行日時を決めるのが大切。 期限の日までに実行しようと思っても、なかなか行動できずに締切の日が来てしまうことが多いからです。 必ずいつまでにやるかと、いつやるのかということを決めておきます。

優先順位を決める

ノルマ、タスクの優先順位を決めることも大切です。優先順位は「緊急度」「重要度」の2つの指標から決めると良いです。 これは自己管理能力の問題でもありますがやりたいことが目の前にあることを我慢してやるべきことを優先するということは大事です。 けっこうしんどいことですが、「毎日少しずつ頑張ること」で心を鍛えることができます。

Do―実行せよ

実行力が低い人は注意して自分をコントロールする必要があります。

制限時間を決めて行う

ノルマ、タスクを効率良く行うためには、ダラダラやらずに集中して行う必要があります。制限時間を決めて、その中でタスクをやりきるという意識が必要です。 まずはきちんと集中すればこなせるタスクを組んで、制限時間を設けて勉強を開始すること。 タイマーを使用してもいいし「○時までに終わらせる!」と宣言してから開始してもよいです。

集中できる場所、シチュエーションで勉強を行う

自分の集中出来る場所を選んで勉強を行うことも必要です。自宅、図書館、カフェなど自分で集中出来る場所で行うこと。 ほかにも、朝早く学校に来て、始業までの30分、1時間で宿題や課題をやるようにすると締め切り効果もあいまって集中出来るでしょう。

バッファ(余裕時間)を持たせる

計画を立てる時は、余裕時間を間に挟むと良いです。別の言葉でバッファともいいます。 計画を立てるときには思わず時間がかかったりすることも多いため、このための余裕を持たせておくための時間を確保しておきましょう。 たとえば2コマ連続で勉強を組み立ておく場合、10分~30分程度の時間を余裕時間として持たせておけば、予想以上に時間がかかっても対応できます。

これを週単位で考えるならば、土曜日や日曜日の午前中を余裕時間として設けるのが良いでしょう。 土曜日は復習日+月~金で出来なかったノルマのバッファ、それでも終わらない場合は日曜日の午前中で片づけるようにします。 やる気についてのページでも述べているように、日曜日の午後はモチベーション維持の為に休息とします。 無理な計画は必ず破綻します。これを意識してルールとして必ず守ることにしましょう。

See―評価し改善せよ

毎日の勉強のうまくいったところ、行かなかったところを分析して改善します。

うまくいかない原因を分析する

ノルマが十分にこなせなかった、勉強が続かなかった、模試の結果が悪かったなど、結果をきちんと分析して原因を見つけましょう。 特にやる気が出なかったなど、精神的なものに思える部分も「なぜやる気が出なかったのか、やる気が出なくても勉強に向かわせる工夫はできなかったか」などなるべく具体的に解決策を考えることが大切。

成長した・うまく行った部分を分析する

1か月前より、1週間前より、昨日よりも成長した、うまく行った部分を挙げてみましょう。 自分を褒めてあげるとともに、「なぜうまくいったか」もきちんと分析しましょう うまく行ったのには必ず原因=成功要因があります。それを見つければ次の成功にも役立てることが出来ます。 最初はうまくいかないものとはいっても、最初は誰でもうまく行かないもの。失敗して当たり前なので、凹まずに毎日トライしていきましょう。

応用と実践の提案

  • 『合格手帳 赤』などで勉強の記録を付けてみる。具体的な学習内容とそれにかかった時間を記録し、自身の学習を客観的に観察してみる。
  • 1日の過ごし方や学習スピードなど、自分の勉強を客観的に分析してみる。

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