大学受験英語において、長文読解を攻略することは言うまでもなく最重要事項です。

例えば共通テストは200点の配点のうち、約4分の3が長文読解です。早稲田や東大などの難関大学の試験も、長文読解が大きな配点を占めていることが多いのです。

そんな重要な英語長文ですが、苦手とする人はとても多い。実際、「英語長文がどうしても苦手です」こういった相談が後を絶ちません。

では、共通テスト、志望大学の過去問の長文読解問題で合格点を取るには、どのように勉強をしていけばよいのでしょうか。

ここでは長文読解力を鍛えるための「音読」「パラグラフリーディング」「リーズニング」の勉強法を主に解説します。

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英語長文読解はどれだけ重要なのか?

共通テスト英語は7割以上が英語長文問題

下記は2014年共通テストの配点です。

  • 第1問…14点
  • 第2問…41点
  • 第3問…46点
  • 第4問…33点
  • 第5問…30点
  • 第6問…36点

文法問題集を一生懸命に勉強しても、コストパフォーマンスが低いことが理解できるでしょうか。「文法問題から固める」という定説は、今の受験英語には全くそぐわないアドバイスなのです。第3問から第6問までが長文問題であるが、その配点は実に145点だ。逆に、文法問題が完璧にできても、たったの41点にしかなりません。

※もちろん、英文読解において英文法の知識は必要だ。しかし、それは『Next Stage 英文法・語法問題 3rd edition』などの文法問題集を隅から隅まで覚えることを意味しません。

長文読解に必要な英文法の知識は、中学~高2までで習う基本的なものだけでも十分なくらいだ。共通テスト及び受験英語を効率的に攻略するには、長文問題から先に対策を行うことが重要です。

これは先ほども言ったとおり、文法は勉強しても41点分の第2問にしか影響を及ぼさないが、長文問題を勉強すれば145点分にもなる第3問〜第6問に影響を及ぼすからです。

  1. 共通テストの長文問題で満点近く取れるようになる
  2. 次に文法・発音の対策を始める

これくらいの心づもりでちょうど良いくらいなのです。

長文読解力・速読力は一朝一夕では身に付かない

実際に共通テスト過去問の英語問題を解いてみて欲しい。制限時間は80分。長文問題にかけられる時間はおよそ60分です。

60分以内に長文を全て読んで解ききれるか、イメージしてみてください。おそらく、ほとんどの高校2年生・高校3年生は読み切れないはずです。

残念ながら、長文読解力は一朝一夕では身に付くことはありません。単語や文法問題は暗記重視なので、比較的短期間で攻略は可能ですが、長文読解はどうしても時間がかかってしまうのです。

長文読解力を伸ばすには時間がかかるため、高3になって、あるいは8月頃から長文読解対策を始めても間に合うわけがないのです。

あなたが受験生なら、あるいは受験まで1年を切っているなら、今すぐに長文読解の対策を行うべきです。

では、英語長文読解力を上げる勉強法とはなんでしょう?私は以下のように考えています。

  • 長文の内容を正しく理解し、正しく解答できる力

つまり、長文問題で高得点を取るためには、内容把握力と解答力が必要なのです。英文を読んで理解するだけではなく、解答テクニックや解答するための思考回路も必要になってきます。

  • 長文の内容を把握する力
  • 正しく答えを選ぶ解答力

この2つを鍛えていくことが長文読解力を高めることになります。それぞれ解説しましょう。

長文内容を素早く正確に理解するための3つの力とは?

長文を読めるようになるためには、どういった力が必要なのか? 基本的には次の3つがあります。

  1. 短文解釈力(単熟語+英文解釈力)
  2. 長文解釈力(多読とパラグラフリーディング)
  3. 英語速読力(天然速読力と英文速解力)

短文解釈力とは?

短文解釈力とは、1文を正しく理解する力です。和訳力、英文解釈力と言っても良いでしょう。

英語長文とはつまるところ1文が集まっているに過ぎません。つまり1文の理解を積み上げることで、長文を理解することが出来るのです。

私は、英語の学習において、いかに素早く短文解釈力を固められるかが合否のカギだと考えています。それくらい英文解釈の習得は重要なのです。

なぜなら、短文解釈力があれば、自力で長文を読めるようになるからです。教科書も自力で読むことが出来るようになれば、普段の授業や定期テストの勉強も格段に効率が上がります。

読解力を高めるための方法は1つしかありません。それは、長文を自力で読めるようになってから、大量の長文を読みこなしていくことです。読解力は読んだ英文量に比例します。

短文解釈力を1日でも早く固めて、後述する多読・音読学習法やリーズニングという勉強を積み上げていくことが肝要なのです。

長文解釈力とは?

しかし、短文解釈力はあるが、以下のような悩みを持つ人も多いでしょう。

1文1文はなんとなく理解できるけど、長文全体で何を言っているのかわからん。長文を読んでいるうちに前の内容を忘れてしまう。どうすればいいんだ?

これには主に2つ原因があります。一つは単純に長文の読み慣れ不足です。

長文を読んでいると、途中で息切れし集中力が低下し、内容を理解することが出来なくなります。これは多読をすることで解消できます。

多読学習には何と言っても音読学習が重要なのですが、それについては「4 読解力・速読力を高める音読学習メソッド」で解説します。

大切なのはもう一つの大意把握力、パラグラフリーディングです。パラグラフリーディングについては「6 パラグラフリーディングを習得する」で後述します。

英語速読力とは?

受験生の多くは英語の速読というものを勘違いしている。

試験では制限時間があるのだから、急いで左から右に目を速く動かして読まなければいけません。

もしあなたが速読と言うものを単純に速く目を動かして読むものだと思っていたら、それは大きな勘違いです。

外国語である英語を、日本語の文章よりも速く読んで理解できるようになるのでしょうか?

それは土台無理な話で、たとえ読めている気がしても、内容は全然頭に入ってこないでしょう。

受験英語において、皆さんが思っているような「超速く読んでいく」読み方は求められていません。

私たちが普通に日本語の文章を読むときくらいのスピードで読むことができれば十分です。私はこれを天然速読力と呼んでいます。

とはいえ、英語初心者にとっては日本語の文章を読むのと同じスピードで読むことがかなり難しい。

だからその「普通のスピードで読む」ことを「速読だ速読だ」というようになってしまっているのかもしれません。

速読力というのは、ムリのないスピードで英文を読んで理解できる読解力だと考えてほしい。実際には速読でも何でもないのです。

もちろん、早く英文内容を理解する技術は存在します。

そういう技術に関するものは「共通テスト英語を60分で解ける!英語速読力を高める31の手順」で詳しく解説しているので参考にしていただきたい。

英語長文の解答力を高める勉強法

英語長文を読んで理解するだけでは、読解問題で高得点を取ることは出来ないことがあります。設問が難しく、多くの引っかけが用意されていることがあるからです。特に共通テストは、本文をたやすく読めても、設問で引っかかってしまうことがよくあります。

その意味で、解答力=得点力を高めることは合格するために必須です。それでは、解答力を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。有効な手段はただ一つ、リーズニング(シャドウティーチング)です。

リーズニングとは

「理由づけ」と訳されるリーズニングとは以下のものであると私は考えています。

  • 解答の根拠(理由)を明示して答えること。

つまり、なんとなーくで答えるのではなく、本文中の根拠を持って答えることです。これを普段から意識的に行っているか否かで、解答力には大きな差が出てきます。

リーズニングでは、解答の根拠を「本文のどこに書いてあったか」と具体的にノートにメモしていく。労力はかかるが確実に力がつきます。

シャドウティーチングとは

シャドウティーチングは以下のようなものです。

  • 解答までのプロセスを自分で説明すること

リーズニングとシャドウティーチングはほぼ同じ意味と思ってよいと考えています。どちらも、解答の根拠を明示(説明)することです。解答の根拠を明示して答えることがなぜ重要なのかは説明不要でしょう。

  • なんとなくあてずっぽうで答える。復習しない。
  • 解答の根拠をはっきりさせることで、自身の思考回路のどこが間違っているのかが明確になり、「正解できる思考回路」に修正出来る。
    解説と同じように解けるまで復習する。

解答力を高めるために、どちらが良いかは明らかです。これは英語だけでなく全ての科目で必要不可欠なメソッドです。

リーズニング、シャドウティーチングについては「解答力を高める長文問題集学習メソッド」で詳しく解説します。

英語長文の音読学習7つの手順

音読の方法の全ては以下のページで事細かく解説しています。

以下では手順を簡単に解説します。

  1. 単熟語のクイック・レスポンス
  2. 構造把握・精読
  3. 発音・リエゾンをリピーティング
  4. サイト・トランスレーション(スラッシュリーディング)
  5. オーバーラッピングと速読トレーニング
  6. シャドウイング
  7. 初日に5回、1週間以内に計20回音読する

一つ一つ解説していきましょう。

1.単熟語のクイック・レスポンス

単熟語がわからないまま英文を読んでも全く意味がない。したがって、英文を読み込む時には単熟語暗記から入るべきです。

ここで守って欲しいルールは2つ。

  1. 発音・アクセントを正確に覚えること
  2. 日本語→英語を即答できるようにすること

発音についてはもはや説明する必要はないでしょう。英語→日本語だけでなく、日本語→英語も出来るようにしましょう。一方向の翻訳が出来るよりも、二方向の翻訳が出来る方が英単語の定着率が良いと考えているからです。

また『東大5分』の小倉先生によれば、「日本語→英語を即答できればactive vocabularyが身に付き、英語の運用力が高まります。またリーディング能力においても、英→日だけでなく日→英を覚えた方が効果的」ということです。

『大学入試東大英語長文が5分で読めるようになる』『ユメタン』シリーズでは日本語→英語の順で音声が流れます。

ユメタンでもこの方式が採用されているということは、キムタツ先生も日本語→英語で単語を覚えることを重要視している証拠です。

2.構造把握・精読

理解があいまいな英文を何度音読しても意味はありません。完璧に構造や和訳を理解した英文を音読することが重要なのです。

  • 完璧に理解した英文を体が覚えるまで音読練習する。
  • 完璧に理解した英文を体に覚えるまで音読練習する。
  • 完璧に理解した英文を体に覚えるまで音読練習する。

非常に大事なので3回書きました。この原則は完全暗記し、必ず実践してほしいです。『英文解釈のやり方についてはこちら』を参照してください。

3.発音・リエゾンをリピーティング

発音やアクセントだけでなく、外国語特有の「リエゾン」も正確に再現できなければなりません。

リエゾンについては「【リエゾン?】日本人の英語リスニング・発音のネック=「英語の音の変化」が分かるようになる情報まとめ」こういう記事を見つけたので参考にしてほしいです。

CDの音声を丁寧に聴いて(イヤホン着用が望ましい)、フレーズ毎に正しく英文を読めるようにリピーティングしよう。

CDによっては音声スピードが速くて聴き取れない場合があります。iPhoneやiPodを持っている人は、「語学プレーヤー」というアプリを活用しましょう。

このアプリは、スマホ内の音楽のスピードを自由に調節して再生することが出来ます。苦手な人は英文スピードを0・8倍くらいにして聴いて学習すれば、スムーズに音読学習をすることが出来ます。

スマホやiPhoneを持っていない人は、語学学習用にICレコーダーなどを買うことをおすすめします。私はオリンパス社のレコーダーを使用しています。音声録音はもちろん、CDを取り込んで「遅聴き・速聴き」もすることが出来ます。

例えばこのシリーズがおすすめです。「V-821」

オリンパスのホームページでも「ICレコーダーの語学学習への応用」を紹介しています。

ICレコーダーで暗記内容を録音して、効率的に暗記する勉強スキルもあります。語学学習・暗記スキルを高めたい人はぜひ購入することをおすすめします。

4.サイト・トランスレーション

サイト・トランスレーションとは、同時通訳者のように英文を訳していく練習方法です。例えば上記で挙げた英文をCDで聞くとします。

  1. The girl と聞いたら即座に「その娘は」と言う
  2. who is standing over thereと聞いたら即座に「あそこに座っている」と言う
  3. is my daughter. と聞いたら即座に「私の娘です」と言う

テレビで同時通訳者の方が、英語を聞いて即座に訳を言っているのを見たことがあるかもしれません。まさにあのイメージで英文を聞いたらすぐに訳していく練習を行いましょう。

スラッシュリーディングとさほどやり方は変わりませんが、この「英文を聞いて即座に訳していく同時通訳式勉強法」がサイトトランスレーションの特徴と言ってよいです。

サイトトランスレーションは、特にリスニングに絶大な効果があります。

リスニングとは、英文を聞いてそのまま理解する力が問われているからです。もちろん読解力も飛躍的に向上させることが出来ます。

スラッシュリーディングについても解説しましょう。英文を音読するときに欠かせないのがスラッシュリーディングです。

例えば以下の英文を読んでみましょう。

The girl who is standing over there is my daughter.
(あそこに座っているその少女は私の娘だ)。

普通に読むと、英文を最後まで読み、関係代名詞の部分を後ろから訳していきます。それに対して、スラッシュリーディングは以下のように読んでいきます。

The girl / who is standing over there / is my daughter.
その少女は/あそこに座っている          /私の娘だ。

このように、返り読みをせずに英文を読むことで、速く英文を読むことが出来るようになります。

スラッシュは、SVOCMのまとまりごと、接続詞などで区切っていきます。

5.オーバーラッピングと速読トレーニング

オーバーラッピングとは、テキストを見ながら英文を音読することです。

このステップでは、意味を理解しながら滑らかに英文を読めるように練習することが目標です。

英文の最初から最後まで、なるべくCD音声を止めずに音読できるようにしましょう。

語学プレーヤーやICレコーダーを使用すれば、「0.8倍→0.9倍→1.0倍→1.1倍→1.2倍…」というように、強制的にスピードを速めることが出来ます。

もちろんスピードを速めることだけが目的ではないので、「意味も分からず棒読み」することはないように注意しましょう。

ここでの学習目標はCDの0.8倍くらいのゆっくりとしたスピードでもいいから滑らかに音読できるようにすることです。

6.シャドウイング

シャドウイングとは、CDから流れる英文を聞きながら真似て読むことです。その定義を『東大英語長文が5分で読めるようになる 英単熟語編』より引用させていただきます。

シャドーイングとは、英語を聞きながら口真似する練習のこと。英語が聞こえたら、ほぼ同時に口真似をしていきます。まるで「影」のように口真似するからシャドーイングと言うんです。

Which did people begin to use first, knives, forks, or spoons?
→Which did people begin to use first, knives, forks, or spoons?
You can answer this question by thinking about my …
→You can answer this question by thinking about my …

この練習をすると、英語のリズムやイントネーションがすぐに改善されます。だいたい、日本にいたら英語で話す機会はめったにないですが、この練習は強制的に口を動かす練習だから、スピーキングに効果があります。それに、シャドーイングのときは、英語を集中して聞かなければならないので、リスニング力も大幅にアップすることが実験で確かめられています。

―以上、『東大英語長文が5分で読めるようになる 英単熟語編』29Pより引用

感覚的には一語遅れくらいで読むのがシャドウイングと言えばわかるでしょうか。

シャドウイングは最終的にはテキストを見ずに英文を音読できるようにすることが目標です。

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ただし、これは英語初心者にとっては非常に難易度が高い。私でもかなりの練習量が必要です。

リスニング試験がある人は、なるべくシャドウイングが出来るようになるまで練習してほしいです。

7.初日に5回、7日以内に計20回音読しましょう

もう一つは、完璧に理解した英文を初日に5回、1週間以内に20回音読すること。

音読学習では徹底的な反復が不可欠です。ハッキリ言って、4,5回程度音読しただけではほとんど意味はありません。何十回も音読し、体に覚えこませた英文だけが読解力の糧となります。

初日5回、1週間以内に20回音読と言うペースは、『キムタツ式英語長文速読特訓ゼミ 共通テストレベル編』の中で灘高のキムタツ先生が提唱しているものです。

私自身もおおよそこれくらいのペースで音読していたし、英語のプロが提唱しているペースなのだから、まず間違いはありません。あとはあなたが素直に実践できるかです。

5回程度で「音読しました」というような受験生は、大した読解力もつかずに、当たり前のように落ちていきます。音読学習に妥協は許されないのです。

速読力を高める方法

音読勉強法

英語を読む力を高めるには、音読による英文読み込みが最も有効だと私は考えています。音読をする主なメリットは以下の2つです。

  1. 英文を返り読みせず、左から右へと理解できるようになる
  2. 英文に対する反射神経を高め、即座に和訳が浮かぶようになる

このあたりの理論は安河内先生の学習漫画『英語の勉強法をはじめからていねいに』に詳しく書いてあります。ぜひ一読して頂きたい。

まずは、とにかく英文を音読してみましょう。英文を音読する時の教材は、なるべくCDが付いている参考書が望ましい。例えば以下のような教材はCD付きで音読学習にはうってつけです。

速読英単語は別売りのCDが高価なのが玉に瑕ですが、長文数がとにかく多く使いやすいです。音読学習をする際には、CD付きのものを教材としてセレクトしましょう。

おおよそ、英語長文が苦手な人は音読も苦手なものです。英語とは言葉ですから、声に出してスラスラ読めない人が、文章をスラスラ理解できるわけがありません。

シャドウイング学習は、英語が苦手な人こそ真っ先にやるべき練習方法といえます。

実際、私も英語学習の時はシャドウイングをメインにしていました。というより、シャドウイング以外の勉強はほとんどやらなかったといっても良いくらいです。

しかしその効果もあってか、受験勉強を始めて4か月後には『英語長文レベル別問題集 5(上級編)』などマーチレベルの長文問題集を読みこなせるレベルにまで長文読解力を伸ばすことが出来ました。

短期間で英語力を伸ばすために、シャドウイングによる英語学習は必要不可欠と言ってよいでしょう。

音読学習は良い意味で体育会系メソッドなのです。体で覚えるのが性に合う人にはうってつけでしょう。

集中して音読するトレーニング

集中して内容を理解しながら音読しよう

当たり前の話ですが、意味を理解しないまま英文を音読しても意味はありません。それではお経を読んでいるのと変わりません。

英文の内容を丁寧に理解しながら音読しなければなりません。

したがって、5回音読することを目的化してはいけないのです。ノルマを決めることは結構ですが、「5回音読すればいいや」という気持ちで、集中してやらないのなら本末転倒です。

  • 集中して英文内容を完璧に理解しながら音読する
  • その上で5回、10回、20回と反復していく 

この2つを両立させながら音読学習を続けていかなければなりません。

下手に音読に慣れてしまうと、内容を理解できなくてもスラスラ読めるようになってしまうため、音読慣れしてきたら特に注意が必要です。

音読は短い時間で集中的に行おう

音読は疲れるものです。したがって、音読学習を連続して1時間以上続けるべきではありません。

もちろん英語が好きな人なら大丈夫でしょうが、集中力が低下して効率が下がる恐れの方が大きいです。

東進ハイスクール所属で英語のプロフェッショナル、音読学習を積極的に勧めている安河内先生は「音読は10分~20分でとことこん集中して取り組む」ことが重要だと言います。

「英文を○回読むことが目的にならない」ためです。1つの長文を10分程度音読学習したら、一旦別の勉強にシフトします。

しばらくしたらまた音読学習をする、という流れで勉強するといいです。

英語を英語のまま理解する感覚とは

英語を英語のまま理解するには、相当の学習量が必要です。偏差値で言うと最低でも65以上は必要になってくるでしょう。

下記の文を読んでみましょう。

  • 私はこの本を面白いと思いました。

これはもちろん日本語です。「どういう意味かな?」と頭をいちいち働かせなくても理解できるはず。日本人だから当然ですね。いわば「日本語を日本語のまま理解する」ということです。

では次の文だとどうでしょうか?

  • I found this book interesting.

①訳してから理解できた
②訳す意識がなくても英文を読んだら理解できた or 勝手に訳が浮かんだ

②が「英語のまま理解する」感覚と考えていいでしょう。このレベルで出来るならなかなかのレベルと言ってよいです。

①だった人、次の文ならどうでしょう?

  • This is a pen.
  • I’m a high school student.

中1レベルの英文なら、英語を読むだけで内容を理解することが出来るはずです。

このレベルは今までに何百回、何千回と目にしてきたからこそ「英語のまま」理解することが出来ると思われます。

ならば、共通テストレベルの英文を理解するにはどうすればいいでしょう?答えは簡単です。

自分のレベルに合った英文を、何十回、何百回と聞いて音読する

これに尽きます。1つの英文は最低20回読み込む。その上で2,3周してしまう。つまり1つの英文を、場合によっては50回以上反復してしまうことです。

何十回も反復した英文を、50本、100本、200本と読みこなしていきます。

このように英文を多読していくことで、英文に対する反射神経が鍛えられ、即座に訳すことが出来るようになるはずです。

灘高の生徒は年に500本長文を読み込む

キムタツ先生のブログや『キムタツ式英語長文速読特訓ゼミ 共通テストレベル編』によると、灘高の生徒は年に500本近い長文を読まされるそうです。

しかも、ただ乱雑に読むのではなく、上記のように最低20回以上音読した英文が500本ある、と言うことです。

もしあなたが東大や早慶など、最難関大学を目指しているなら、この数字は一つの目安になるはずです。

全国トップクラスの高校生が500本読んでいて、自分は100本しか読んでいない。こんな状態で全国のライバルに勝てるのでしょうか?

毎日1~2本の長文を読む、それを最低1年以上続けることで、初めて最難関大学受験の土俵に立てるのだということを肝に銘じましょう。

音読・多読におすすめの参考書

パラグラフリーディングを習得する

『パラグラフリーディングのストラテジー (1) 読み方・解き方編』の前書きによると、パラリーは以下のように定義されています。

「パラグラフリーディング」とは、意味の大きなカタマリである「パラグラフ」に着目して英語の評論文に頻出の「論理展開パターン」を利用したり、文脈を明示する「論理マーカー」に着目して「筆者のイイタイコト」を素早く抽出したりしようというリーディング法なのです。

『パラグラフリーディングのストラテジー (1) 読み方・解き方編』3pより引用

※パラグラフ=段落のこと

パラグラフ毎の話題に着目して、英文全体のテーマと筆者のイイタイコトを素早く把握する方法をパラグラフリーディングといいます。

パラグラフリーディングとは?

パラグラフリーディングは安易なテクではありません

パラグラフリーディングについては、ぜひ『パラグラフリーディングのストラテジー (1) 読み方・解き方編』の前書きを読んでほしいです。立ち読みでも十分理解できるはずです。

ここで伝えておきたいのは、パラグラフリーディングは至極真っ当な評論文の読解法で、安易なテクニックなどではないということです。

パラグラフリーディングは現代文と一緒

パラグラフリーディングを学ぶとわかるのだが、パラグラフリーディングは現代文の評論文と全く同じ読解方法なのです。

  • 本文のテーマを把握する
  • 筆者の主張を接続詞をヒントに把握する
  • 段落ごとの話題(トピック)を把握する

パラグラフリーディングの基本は上のようなものだが、現代文でもポイントは全く同じなのです。

パラグラフリーディングの勉強法

英語でパラグラフリーディングを学ぶ時期

なぜ、現代文を学んでも英語においてその読解方法を生かすことが出来ないのでしょうか? また、「パラグラフリーディングなんて必要ない。普通に読めばいい」という言説も見られます。

英語を現代文のように論理的に読むことが出来ない理由は、英語では英文解釈に頭がいっぱいになり、トピックや主張の把握などに頭が回らないからでしょう。

また、基本的な読解力がないと、パラグラフリーディングという読解テクニックを考える余裕がありません。結果的に短文解釈力も長文解釈力も中途半端に終わってしまいます。

したがって、パラグラフリーディングは、共通テスト英語の長文くらいはスラスラ読めるようになってから本格的に始めるといいでしょう。

本文にSVOCとかスラッシュとか書き込まなくても読めるようなレベルになってから始めましょう。

パラグラフリーディングを学ぶおすすめ参考書

解答力を高める長文問題集 学習メソッド

ここからは、設問が付いている長文問題集の勉強法を解説します。

英語長文問題集の勉強手順

まずは長文問題集の勉強手順を解説します。

  1. 時間を測って問題を解く
  2. 根拠をノートにメモしながら設問を解く(リーズニング)
  3. 答え合わせをして、解説を熟読する
  4. もう一度、解説をしながら問題を解く(シャドウティーチング)
  5. 英文の精読・速読練習を行う

1,3,5については問題ないでしょう。2のリーズニングと4のシャドウティーチングについて詳しく解説します。

リーズニングで解答力を飛躍的に高める

長文問題を解くときは、解答の根拠をノートにメモして解く習慣を付けましょう。

面倒な手間だと感じるでしょうが、この作業を行うか否かで、解答力の伸び率は2倍、3倍と違ってきます。これは全然大げさな数値ではありません。

リーズニングのやり方は以下の通りです。

  1. 各パラグラフの要旨を10字~20字でまとめる
  2. 設問で注目すべきパラグラフを特定する(スキャニング)
  3. 選択肢を丁寧に和訳し、正否を本文のどこに書いているかを明示した上で判定する

1のパラグラフの要旨は、トピックを把握したうえで問題を解く癖をつけるためです。これはパラグラフリーディングと同じだから、必ず実践しましょう。

2のスキャニングについては「スキャニング」で解説します。

3が最重要です。「選択肢のこの部分は本文の○行目と照らし合わせると一致/不一致 だ」ということをノートにメモしていきます。

最後にリーズニングの効用を書いておきましょう。リーズニングは通常の2倍の時間がかかります。30分で300語程度の長文を解いている人なら、1時間は軽くかかるかもしれません。

しかし、このリーズニングという作業は解答力を高める最高の方法です。手間を惜しむべきではありません。

私はこのリーズニングという勉強を11月頃から始めて、2か月程度で過去問の得点を1割以上(7割→8割)伸ばすことが出来ました。

過去問で7割程度までならそこまで難しくはないが、それ以上得点するとなると難しいです。当時の私も、成績が停滞し悩んでいたのです。

そんな時にリーズニングの勉強を始めて、壁を超えることが出来ました。早稲田の文学部の問題で85%以上の得点を取ることも可能になりました。

  • 長文は読めるのに設問でポロポロ落としてしまう
  • 長文問題が伸び悩んでいる

もしあなたが上記のような悩みを抱えているとしたら、ぜひリーズニングを始めてほしいです。1つ問題をこなしていくたびに、解答力が伸びていくことを実感できるはずです。

シャドウティーチングで合格の思考回路を修得

シャドウティーチングとは「解答の根拠を説明しながら問題を解く」ことです。予備校講師が問題を解く際の思考回路を再現するといっても良いです。

もし予備校講師と同じように英文を読み、設問を解くことが出来たらどうだろうか? もちろん合格点を取ることができるはずです。

参考書に書いてある解説を熟読し、それを再現することで、合格の思考回路を身に付けましょう。

速解力を高めるスキャニング

あなたは、「長文を見て、設問を見て、また長文を読み直す」といった感じで問題を解いていないでしょうか?

このような読み方では時間が足りなくなってしまいます。もっと効率的に長文を読み解いていかなければなりません。そんな時に役立つ技術がスキャニングです。

スキャニングとは設問を先に読んで、必要な情報がどこに書いてあるか目星をつけてから長文を読んでいく技術のことです。

例えば、設問を読めば、「これは第2パラグラフに書いてあるな」と見当を付けられることがあります。

見当が付けば、第2パラグラフを読みながら、「あっ、この文が解答のポイントになるな」と気づけるようになるし、第2パラグラフを読んだらすぐに問題を解くこともできます。

  • 長文を読んで、設問を読んで、長文を読み直して、問題を解く
  • 先に設問を読み、長文を読み、問題を解く

後者の方が効率的に素早く問題を解けるようになるのです。

概して、長文を時間内に解ききれないような人は、何度も長文を読み直していることが多いです。

それに対して、長文を時間内に解ききれる人は、本文を基本的に1度しか読んでいません。私も、共通テスト英語を解くときは基本的に、本文は一回しか読んでいません。

先に設問を読み、解答のポイントとなる英文が来たらスピードダウンして丁寧に読み、その場で問題を解くのです。問題によってはもう一度本文を読むことはあるが、せいぜい10文程度です。

スキャニングを実践することで、速解力を高めることが出来るし、比較的に訓練なしでもすぐにできるようになります。これをやらない手はありません。

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