世界史は教科書が基本!とは言われても教科書は難しくて理解できない、覚えられない。
先生に「まずは教科書を読め」と言われて読んで入るけどなかなか前に進まない。何度も挫折する。
かくいう私も、何度も教科書を読もうとしては挫折し、世界史の勉強を前に進めることが出来なくて悩んだものだ。
なぜ教科書学習を進めることが出来ないのか。その理由を解明しつつ、教科書学習を挫折しないで進めるための勉強法を解説する。
さらに、教科書を10周も20周も反復して全ての用語をカンペキに覚える「暗記速読法」も解説していく。ぜひ最後までお読みいただきたい。
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なぜ教科書学習が上手く進まないのか?3つの理由と対策
私は大きく分けて3つの原因があると考えている。
- 世界史のイメージを持てていないから
- 覚えおくべき重要人物を覚えていないから
- 代表的な事件、おおまかな流れがわかっていないから
【歴史の大前提】HistoryはStoryである
歴史を勉強する際のキーワードは歴史は物語であるということだ。
それを踏まえずに無味乾燥な暗記をしてしまうから歴史がつまらないし記憶も出来なくなってしまうのだ。歴史とは人間が作り上げた人類の物語といえる。
小説、映画、ドラマ、漫画、アニメを見る時を思い出してみて欲しい。そのストーリーを理解するのに最も重要なものはなんだろうか?まず1つ目に登場人物の名前が挙げられるだろう。登場人物を覚えてなければストーリーを理解しづらい。
またその登場人物がどんな生い立ちがあって、どんな性格で…ということまで分かればストーリーはより深く理解することが出来る。
世界史を勉強するときも大切なのは同じだ。まず登場人物を覚える。次にその人が何をしたのか。そういうことを覚えて初めて流れもわかるというものだ。
これからお話する3つの理由も、「HistoryはStoryである」という前提の元に読んでいただければより深く理解できるだろう。
世界史のイメージを持てていないから
世界史を全く勉強したことがない人は、世界史に対するイメージを持てていない。
例えば日本史なら時代劇などの風景をイメージできるかもしれないが、世界史はあまりテレビでも取り扱われないので、普通に生きていたらイメージを持つことが難しいのだ。
イメージを持たないまま教科書を読んでも理解しづらいし覚えづらい。
世界史のイメージを持つための方法は主に以下の2つ。
- 漫画を読むこと
- 資料集で地図・写真をこまめに見るということ
マンガを読むことで、絵ではあるが大まかなイメージを持つことが出来る。文字でイメージを掴むというのは難しい。わざわざこちらが想像力を膨らませなければいけないからだ(それも大事なことであるが)。
一方で、マンガならば、読むだけで「30年戦争」という事件名を見た時になんとなーく風景をマンガの絵で思い浮かべることが出来る。情景を思い浮かべられると記憶しやすくなるのは英単語を覚えるときと一緒だ。
『マンガ世界の歴史がわかる本』などを最初に読んでおくことを強くおすすめする。私も最初にマンガを読んでおいたことで世界史の勉強をスムーズに進めることが出来た。
もう一つは資料集を常に机に広げて地図や写真、絵を見ておくということだ。
これはマンガと同じような効果を持つ。アメリカ独立戦争の風景が資料集で絵が載っていることがあるが、これを見ておくのと見ておかないのでは、イメージしやすさが全く違う。
授業でも教科書学習でも資料集は必須なので『流れ図 世界史図録ヒストリカ』などの資料集は必ず1冊持っておこう。普通の書店に売っている。
覚えおくべき重要人物を覚えていないから
先ほども申し上げたとおり、物語を覚えるときに主要な登場人物を覚えることは必要不可欠だ。
歴史は主人公級の人物が何十人もいるので、この登場人物を覚えるのに苦労するが(苦笑)、マンガを繰り返し読むことで覚えることができるだろう。
漫画を読み、主要な登場人物の顔はマンガのイラストで覚えてしまおう。顔を覚えておくだけで非常に覚えやすくなる。
私も「始皇帝」「康煕帝」などは資料集やマンガの絵で頭にすぐ思い浮かぶ。
頭で思い浮かべられるならその人物の関連事項も覚えやすいものだ。
代表的な事件、おおまかな流れがわかっていないから
物語を覚えるときには冒頭や佳境(ピーク)やオチなどが重要だろう。それと同じように世界史にも様々な始まりと終わり、重大事件が存在する。それを1つ1つ覚えていく必要がある。
ここで重要なポイントを1つ。意外に分かっていない人が多いが、最低限の暗記なしに教科書を理解したり流れを掴んだりすることは出来ない。
最初は丸暗記でもいい。マンガに出てくるような事件はとにかく何度も繰り返して完全に覚えてしまって欲しい。登場人物は覚えないと物語が理解できないように、最低限の暗記をしないといけないのだ。
しかし事はそうカンタンにいかない。なぜなら世界史はその最低限覚えるべき暗記量が多いからだ。暗記量が多いから難しいし最初は大変なものなのだ。
そこは覚悟を持って、気合を入れて取り組んで欲しい。きちんとした手順と勉強時間を投資すれば世界史は必ずできるようになる。
覚えるべき用語数の目安としては、まず500語。500語覚えれば大まかな流れは分かってくるし教科書もなんとか読めるようになるはずだ。マンガを繰り返し読めば500語くらいは覚えられるだろう。
それを覚えたら次は1000語〜2000語。『流れ図で攻略詳説世界史B』は1500語くらい収録なので、この1冊を覚えれば流れはかなり分かるようになるはずだ。
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教科書を理解するのに便利な講義本
ここまでで、教科書を理解できない理由と対策を3つ挙げた。
- 世界史のイメージを持てていない→マンガと資料集を読む
- 覚えおくべき重要人物を覚えていない→マンガで覚える
- 代表的な事件、おおまかな流れがわかっていない→マンガや『流れ図』を覚える
ここでは主に学校の授業で教科書を読んでいる人が「マンガを読んでも、授業や教科書がまだ良く理解できない」という時のためにおすすめの参考書を紹介しておく。
マンガを読んだ後、教科書はまだ難しいとか、もう少し本格的に世界史を勉強したい人は『共通テストのツボ世界史』などを読んでもいいだろう。
早慶上智東大など難関大学を受験したい人は、共通テストのツボよりも『青木世界史B講義の実況中継①〜④』のCDを中心に聴き込みするのをおすすめしたい。
本書の付属CDを繰り返し聞くことで流れを大雑把に覚えることが出来る。通学時間やスキマ時間に繰り返し聴くことで自然と頭に入るのが便利だ。
教科書の暗記方法
さて、ここからはいよいよ具体的に世界史の教科書の覚え方を解説する。まず手元に教科書があってそれを覚えていく場合。何を覚えるか?だが、当然、太字を中心に覚えていくことになる。
普通の教科書だと太字は隠せないので、緑ペンで塗りつぶして赤シートで隠すという方法が考えられる。
効率化を図るため書き込み教科書を使用する
しかし、いちいち塗るのも赤シートを被せるのも面倒なので、私は『書き込み教科書』をおすすめする。
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書き込み教科書の使い方はシンプルだ。
- 本文を音読or黙読する。できるだけ音読するのが良い。
- 空欄が来たら用語を埋めてみる。5秒以上考えずに下で用語を確認しながらサクサク進める。
- 一つの項目が終わったらもう一度読み進める。全ての用語を自力で言えるようにする。
これが基本的な使い方。最終的なゴールは、さも答えが空欄に書いてるくらい一瞬で用語を穴埋めしながら読めるようにすることだ。
教科書は音読した方がいいの?
教科書の音読には重要な考え方がいくつかある。
まず1つ目には最初の数回は音読してみるのもいいということだ。音読は頭が活性化するので、音読したほうが頭に入りやすいし用語も覚えやすい人もいるだろう。
ただし、音読は疲れるので、ずっと音読していると口だけ動かして入るけど内容が全然入ってこないケースもある。
私もよく参考書を音読していたが、何を言っているのかさっぱり頭に入ってこない時もあった。それは何時間も連続で音読していたからだ。
音読が大事と聞いたからといって馬鹿正直にずっと音読するのも良くないのだ。
もう一つ、次に解説する速読にあたって、音読は弊害となってしまう。音読ももちろんいいのだが、速読する際には音読してはいけない。
- 最初のインプットや頭を働かせたいときは音読も良い(ただし30分以上連続でやらない)
- 空欄を埋めるときは用語を声に出したほうが良い
- 速読練習の時には音読はやめたほうが良い(というか止めないと速読できない)
暗記速読のやり方については『速読暗記勉強法』などを参考にして欲しいが、ここではとりあえずすぐに出来る速読の仕方を解説していく。
教科書を速読できるようにしろ!
世界史が得意な人、勉強慣れしている人は自然とやっている方法を解説する。それは教科書を速読練習するということだ。
上記で挙げた3つの手順の後に、さらに3回ほど同じことを繰り返してみよう。その際、黙読で本文を速く読めるようにスピードを上げてみるということを試してみて欲しい。
英語の速読練習のように読み返す毎にスピードを上げるのだ。日本語なので、5回位読めば最初の2倍位の速度で読めるようになっていると思う。
教科書速読実践トレーニング
ここでは実際に速く教科書を読めるようにすることを出来るようにしてみよう。
「序章 先史の世界>人類の進化」のページを教科書や書き込み教科書で開いて欲しい。
人類が出現してから、文字を発明して歴史を記録に残すようになるまでには…
と始まる部分だ。
スマホなどで時間を測って、以下の文章をじっくり理解しながら読むのに何分かかるか測ってみよう。(読みやすいようにこちらで改行させていただいた)
音読したり頭のなかで音読したりしても、およそ1分30秒程度で読めただろう。では次は音読をやめて黙読でもう一度読んでみて欲しい。先程よりスピードを少し上げて(理解しながら)。
教科書を10周20周したいなら速読が必須!
おそらく、読むのがあまり速くない人でも1分以内には読めたと思う。文章を読むのに慣れている人なら30秒程度で読めるようになるはずだ。
私はおよそ20秒くらいあれば十分に理解しながら、かつ空欄の用語だけ声に出して暗記しながら読むことが出来る。
このように教科書は一度読んで終わり、ではなくてこのように項目ごとに速読できるようになるまで読み込みを行って欲しい。
進むのは一見遅くなるが、1ページ分を復習するのに20秒で出来れば、30ページ復習を10分程度でできるようになるのだ。
書き込み教科書は300ページくらいなので、3時間〜4時間あれば通読することも可能になる(あくまで理論上だしところどころ詰まるはずなので実際は5時間程度。)
教科書をカンペキに覚えるためには10周20周の復習が必要になる。タラタラと読んでいては時間はいくらあっても足りない。
しかし、5時間で通読できるようになるなら、10周しても50時間。1日2時間世界史にとれれば、1ヶ月でやれないことはない。
もちろん教科書を読むスピードは人によって様々だからこれは皮算用かもしれない。しかしこういうイメージを持って勉強して欲しいのだ。とにかく一度読んで終わりではなくで数回通読して速く読めるようにする。復習するときも速読で行う。
そうすれば何度も何度も反復できるので当然忘れにくくなる。用語も覚えるし流れも頭に入ってくる。
ぜひ、項目ごとに最低5回は通読して速読できるようにしよう。
勉強のスケジュールイメージ
教科書は「章」>「項」>「小見出し」という構成になっている。
例えば
- 第1章 オリエントと地中海世界
- 1 古代オリエント世界
- 2 ギリシア世界
- 3 ローマ世界
目次には載っていないが「1 古代オリエント世界」の項の中でも以下の様な小見出しがある。
- オリエント世界の風土と人々
- シュメール人の都市国家
- メソポタミアの統一と小アジア
- エジプトの統一国家
- 東地中海世界
- 古代オリエントの統一
- パルティアとササン朝
- イラン文明の特徴
このような小見出しを1セットとして勉強しよう。
- まず小見出しを1つずつ、先ほどのように用語暗記をしながら速読できるようにする。
- 上の場合なら8つの小見出しを全て覚えたら、もう一度全て読みなおしてみる(9ページなので5分くらいが目安)
- 次の項「ギリシア世界」「ローマ世界」も同様に進める
- 3つの項目が終わったら章全てを総復習する
このように「①小見出しを覚える→②項目終えたらその項を総復習→③章終えたらその章を総復習」というようにしつこいくらいに何度も読みなおしてみよう。
何度も読むことでスピードはどんどん上がるはずだ。見開き1ページを1分(半ページ30秒)で読めるならたいして時間もかからないはずだ。
さらに5章分が終わったら総復習してみるなど、忘れないうちにこまめに復習するようにすれば確実に覚えられるようになるだろう。
【番外コラム】そもそも教科書を絶対読まなければいけないわけではない
ここまで徹底的に教科書の覚え方について解説しておいて恐縮だが(汗)
世界史の勉強において、教科書を覚えることは必ずしも絶対に必要なことではない。実際、私も教科書は使わずに参考書を使用した。
教科書レベルの用語を収録した参考書や問題集はたくさんある。何より、教科書は「基本的につまらない」のが最大の欠点だ。
個人的な著者の感情は入れてはいけないため、文章が無味乾燥になってしまう。
それは仕方がないことだし、世界史ができるようになると教科書ほどシンプルに世界史をまとめている本もないので読んでて面白くなってくるのだが、やはり初めのうちはハードルが高いかもしれない。
だから私は基本的に教科書は学校の授業で使う現役高校生が使うことを勧めている。それ以外の人は『流れ図で攻略詳説世界史B』やハイレベルだが『実力をつける世界史100題』を教科書代わりにつかってもいいだろう。
とはいえ、今回解説した教科書の理解の仕方や覚え方はどのテキストを使うとしてもそのまま応用できるもののはずだ。自分に合ったテキストを選んできちんと覚えこんでいって欲しい。
まとめ:教科書を2ヶ月で覚える手順
- イメージや流れをつかめてない人はマンガを読んだり実況中継のCD聴いたりする。
- 書き込み教科書を暗記する。1つ1つ速読できるようにする。時間があるなら毎日10ページ程度進める
- 復習しながら最後まで通読する。毎日10ページ進めればおよそ1ヶ月で通読完了、ページにとっては10回以上読み込んでいる状態になるはず。
- 何度か共通テスト過去問を解いて弱い分野を5回以上復習する。過去問を解く。復習する
- 以上の手順を良い意味でテキトーにランダムにやっていって20回程度復習すれば9割以上覚えられるはず
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