今回は河合出版の英語長文問題集「やっておきたい英語長文」シリーズをご紹介する。非常にオーソドックスな長文問題集で、受験生に人気がある。
語数とレベル別で「300、500、700、1000」に分かれている。それぞれのレベルの解説や使い方を解説する。
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『やっておきたい英語長文』とは
- [ジャンル]長文問題集
- [使用目的]各レベルの問題演習
- [勉強目標]各英文をスラスラ読める・各設問をシャドウティーチングできる
「やっておきたい英語長文」は河合出版らしいクセのない長文問題集だ。特にこれと言った特徴はないが、気になる癖もないので万人に薦めることができる。
全部で4冊あり、段階ごとにステップアップしながら勉強していくことができる。
よく「解説が詳しい」と言われるが、特に解説が詳しいわけではない。むしろ『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 共通テストレベル編』などに比べると本文解説はなきに等しい。設問解説は普通。
『500』から本文要約があるのは地味に便利。癖がないのでおすすめしておけば間違いないのだが、個人的にはCDのついていない長文問題集はあまり薦めたくないのが正直なところ。
とはいえCD付きの長文問題集は問題数が少ないので、コスパを取るか効率を取るかという問題になる。特にコスパを考えないならCD付きの問題集をセレクトした方が賢いと思う。
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『やっておきたい英語長文300』のスペック
- [問題数]30題
- [難易度]易しめ:250語~400語の共通テストレベルくらいの長文
- [必要学力]4000語レベルの語彙力・『技術70』レベルの解釈力
- [到達レベル]入門→基礎:共通テスト5割→7割
- [勉強期間]1か月:1日2題15日×2周
『やっておきたい英語長文300』は初級レベルの問題集。平均300語くらいの易しい長文を30題たっぷり演習することができる。単熟語と解釈を勉強して、長文を読み始めたい人がやるといいだろう。
レベルはだいたい共通テストレベル。設問は和訳問題や正誤、空欄補充などバランスの良いものになっている。特にこの段階だと和訳問題がきちんとあるのが地味にうれしい。英文解釈のアウトプットとしても便利。
長文読解のテキストは個人的にCD付きの方が好ましいと思っている(特に初級レベルでは)。最近はあまり積極的におすすめすることはないのだが、問題数はとても多いので、演習量をたっぷり稼ぎたい人はぜひやるといいだろう。
『やっておきたい英語長文500』のスペック
- [問題数]20題
- [難易度]難関:500語程度の難関国公立・マーチレベルの長文
- [必要学力]5500~6000語レベルの語彙力、『基礎100』レベルの解釈力
- [到達レベル]基礎→難関:共通テスト7割→8割、マーチで戦える
- [勉強期間]1か月:1日1題+総復習
『やっておきたい英語長文500』はおよそマーチレベルの長文問題集。500語程度の少し長めの長文問題を20題演習できる。類書と比べるとやはり問題数が多いのがメリット。
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主題は私立が5題、国公立大が15題と国公立大学が多め。東北大、神戸大、北海道大、立教大、一橋大など難関大学からの出題もある。
それぞれの英文の語数は1問目から順に、454・545・466・465・507・499・437・523・485・477・447・524・515・439・413・421・561・535・476・480語。
共通テストの第5問、6問対策などの易しく長めの長文を解きたい人は『安河内で自信を付ける!英語長文速読トレーニング』の方が向いているだろう。
到達レベルなのだが「これ1冊でマーチOK」というわけではないので「戦える」という曖昧な言葉で許してほしい。これに加えて速単などの長文なども読み込んで初めて合格点が取れるようになる。
『やっておきたい英語長文700』のスペック
- [問題数]15題
- [難易度]難関から最難関:600語~900語程度のマーチ~早慶レベルの長文
- [必要学力]6000語程度の語彙力・マーチ易しめ合格点レベルの読解力
- [到達レベル]難関→最難関:共通テスト8割→9割、マーチ→早慶で戦える
- [勉強期間]1か月:1日1題+総復習
『やっておきたい英語長文700』は早慶をはじめとする最難関大学レベルの長文問題集。700語程度の長さの長文集だが、実際の平均語数は777語とやや長め。出題校はマーチから早稲田、東大など様々で9題が私立大学の問題。
大問 | 語数 | 出題校 |
1 | 634 | 同志社 |
2 | 606 | 三重大 |
3 | 859 | 同志社 |
4 | 715 | 早稲田 |
5 | 774 | 旭川医科 |
6 | 813 | 明治大 |
7 | 831 | 明治学院 |
8 | 902 | 東京大 |
9 | 886 | 同志社 |
10 | 630 | 大阪大 |
11 | 812 | 佐賀大 |
12 | 846 | 青山学院 |
13 | 900 | 青山学院 |
14 | 679 | 中央大 |
15 | 768 | 千葉大 |
マーチレベルの大学でも青学など英語が難しい大学を志望する人の最終演習書として位置づけられるだろうか。『速読のプラチカ―英語長文』とよく比較されるが、プラチカは平均600語程度で20題。
『やっておきたい英語長文700』は800語、900語の長文も収録されているので、語数の長さで使い分けるといいだろう。あるいはプラチカ⇒700と接続してもいい。
『やっておきたい英語長文1000』のスペック
- [問題数]10題
- [難易度]最難関:1000語超の最難関大学レベルの長文
- [必要学力]早慶レベルの長文が読める程度の読解力
- [到達レベル]早慶で戦える⇒超長文が解ける
- [勉強期間]2週間:1題10日×2周
『やっておきたい英語長文1000』は超長文対策の問題集。「超長文になると手も足もでない」「超長文で時間を食ってしまい、試験全体で時間が足りない」といった人の超長文対策としておすすめ。
大問 | 語数 | 出題校 |
1 | 936 | 同志社大 |
2 | 937 | 金沢大 |
3 | 941 | 慶應義塾大 |
4 | 969 | 東京外国語大 |
5 | 970 | 青山学院 |
6 | 1107 | 慶應義塾大 |
7 | 1225 | 東京医科歯科 |
8 | 1361 | 早稲田大 |
9 | 1401 | 東京大 |
10 | 1611 | 一橋大 |
上記の大学を受験する人や1000語超の長文問題が出題される大学を受験する人におすすめだ。
『やっておきたい英語長文』の使い方
- 制限時間を測って問題を解く
- 東大、経済学部など処理速度重視型の大学学部の人は5分程度短くして解く。
- 500移行の問題集の場合は100字、150字、200字くらいで要約を書く
- 答え合わせと解説を読み、本文の和訳を確認する。
- もう一度問題を読み、解説を再現しながら問題を解く。
- 本文の読み込みとシャドウティーチングを繰り返す。
- 復習の時は制限時間を半分くらいにして解けるようにする。
- 人によっては制限時間がゆるく感じられるかもしれないので5分程度短くして解いてもいい。
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