山下良徳先生の英文解釈参考書『英文読解スマートリーディングLESSON BOOK (アルク学参シリーズ)』 をご紹介する。

基礎レベルの英文解釈と言えば『英文読解入門基本はここだ!』『ビジュアル英文解釈 (Part1)』が以前からある名著だ。

『スマートリーディング』はこの2冊に代わる新しい解釈入門書として私が個人的に注目している本だ。

 

 

 

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スマートリーディングLBの構成・特徴・英文数

  • [ジャンル]英文解釈
  • [問題数]53LESSON(総英文数は約700)
  • [難易度]標準:3000語の単熟語と高校英文法の講義本を読み込んでいればOK
  • [到達レベル]入門→基礎:共通テスト5割→7割レベルの解釈力
  • [勉強期間]1日3LESSON20日以内で1周、以降3か月以内で復習を完了する
  • [使用目的]入試問題の1文を正確に和訳できるようにするため
  • [勉強目標]全英文を地力で「構造把握」「音読」「和訳」出来るようにする
  • [対象者]入門から基礎~難関の手前レベルの解釈力を1冊で身に付けたい人

全12章で、全53LESSON。各レッスンのテーマになる文法・解釈について例文を交えながら解説。最後に演習問題を解くという流れになっている。この演習問題は2行くらいでちょっと長め。一部5行くらいのかなり長い英文もある。

例文は1行程度で短い。演習問題のレベルは入試レベルと考えてもいいだろう。単語レベルはやや高めだが、語注もついているから特に問題はないだろう。演習問題の英文はやや難しめだが、例文と各読解ポイントを覚えれば大丈夫だろう。

解説についてだが、『基本はここだ』と比べると断然わかりやすい。

英文の下にSVOCMが振られたり、修飾語と被修飾語の関係が視覚的に理解できる仕様になっている。この点は『入門英文解釈の技術70』シリーズと似ていて高評価だ。

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『スマートリーディング』中の英文数と内訳は以下の通りだ。

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  • 例文数:425文
  • 演習問題:239文
  • 課外Lesson:48

基本はここだと比べるとかなり多い。ちなみにこの例文(ex)には文ではない「句」なども数に含めている。内容を見ても重要な英文を一通り網羅できている印象だ。

総語数は『基本はここだ』が約3000語に対して約9000語。基本はここだよりも英文数、演習問題が多く、その英文も長めだ。

また扱っている例文自体も多い。『技術70』の例題も総語数で言うと3000語以下だから、かなりの分量だということがわかる。

英文数を見てみればわかる通り、『基本はここだ』よりも到達レベルはかなり高いはずだ。

頻出構文もたくさん扱っているので、これ1冊で共通テストレベルの英文はかなり読めるようになると思う。『技術70』レベルまでカバーしているかもしれないが、参考書のタイプが違うので比べるのは難しいか。

あえて欲を言えば、exの例題の部分も復習できるように、例文集を載せるか、SVOCMの解説を赤字にするなどしてほしい。

私は生徒に勉強させるために、全英文をテキスト化して使わせている。先ほど値段の話をしたが、問題数を考えるとこの値段はそこまで高くないと言えるかもしれない(exのCDは欲しい)。

著者HPで補助教材が無料ダウンロード

『スマートリーディング』でうれしいのは、英文の音声やPDFファイルなどの補助教材も無料で得られるということだ。個人的に音声はCDをつけてくれよと思うが。

山下りょうとくのホームページ」※PCから見た方がいいかも。

こちらの「英文読解 スマートリーディング」関連ファイルの方に演習問題の音声とレッスンブックで習得するポイントに関するPDFファイルをダウンロードできる。音声の方はWEB上でしか聞けないようなのが難点だが。音声画面で右クリックを押せばダウンロードできると思う。

スマートリーディングの使い方・勉強法

  1. 著者のHPから音声と「LESSON+BOOK+REVIEW」PDFファイルをダウンロードする。
  2. 各Lessonを読み、ex例文にSVOCMや「修飾・被修飾の関係」を矢印で書き込む。
  3. 演習問題を解く。実際に和訳を紙に書く。
  4. 答え合わせをして解説を読み、その後構造把握のシャドウティーチングを行う。
  5. 次のLessonへ進む。翌日は前のLessonの全英文を和訳してからその日のLessonに進む。

基本的には「収録されている英文全てを完璧に習得する」つもりで学習しよう。

演習問題が一番重要だが、exの例文も覚えていた方が良い構文などが多い。全てマスターするつもりで取り組もう。

勉強法については「4か月で偏差値が20アップする英文解釈・英文和訳のやり方と勉強法」も必ず読んでおこう。

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