受験勉強は計画が重要だ。しかしたいていの受験生は計画的に勉強を進めることができていない。 今回ご紹介する勉強計画の立て方を学ぶことで「計画倒れ」「時間が足りない」といった問題を解決することができるはずだ。 私は受験生時代、綿密な受験計画を立てることで「受ける前に受かる」という状態を作り出すことに成功した。
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試験を受ける前に合否が分かる?勉強計画を立てる意義とは
- 勉強計画は、志望大学への最短距離を進むために立てる。
- 勉強計画は、ゴールまでの残りの距離を知り、毎日の勉強量を算出するために立てる。
たくさんの受験生を見ていると「あぁ、この人は落ちるな」という風に試験を受ける前に不合格がわかってしまうことがある。その要素の1つに計画の立て方がある。 勉強計画はいわば目的地(志望校)までの地図だ。私たちは普通、相当の方向音痴でもない限り、地図通りに進むことで目的地にたどり着くことができる。
最近は携帯でマップを見ることができるので便利になった。 しかし、もしあなたが見ている地図が間違っているとしたらどうだろう? 飛行機に乗り、電車に乗り、バスに乗り、何時間もかけてたどり着いた場所が、目的地とはかけ離れたところだったらどうだろう?
目的地が北にあるのに、あなたが一生懸命東に進んでも一生目的地にはたどり着けないのだ。受験生の場合、目的地にとうていたどり着かない方向に進んでいることがとても多い。
大学受験は志望大学に到達するための方向が間違っていたら絶対に合格できない。
また、目的地に到達するためにかかる時間を正確に知らない受験生もとても多い。「○○大は1日何時間やればOK」「半年で○○大に受かる」といった言葉に飛びついてしまう人は、そもそも大学受験と言うものについて全く理解できていない。
志望大学がゴールとした場合、残りの距離は人によってバラバラだ。1000キロくらいの人もいるだろうし、3000キロも離れている人もいる。あなたの現状学力と目標学力のギャップを正確に知る必要がある。
志望大に合格するための所要時間は人それぞれ。絶対はない。
ゴールまでの距離を正確に知ることができれば、おのずと1日何時間くらい勉強する必要があるのかもわかってくる。あなたとゴールまでの距離が3000キロもあるのに、1日2キロしか進まないなら、ゴールまで何年かかるかわからない。
「何時間勉強すれば合格できますか」と質問する受験生はとても多い。これは志望大学までの距離を測ることができていない証拠だ。自分が何を勉強すればわかっていないことになる。残念ながら、このような受験生が合格できる可能性は限りなく低いだろう。
偏差値30とか40の人が難関大学に合格するためには、偏差値55の人が目指すよりも、はるかに多くの距離を走らなければならない。時間で換算すると3000時間~4000時間必要になるかもしれない。あなたの残された時間が半年なら、自動的に合格は不可能である場合もある。それを知らぬまま甘い言葉につられて勉強をしても不幸な結果しか招かないこともある。
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受験計画は志望校研究と現状学力分析が全て!
勉強計画はあなたの志望大学(目的地)と現状学力(現在地)によって決まる。志望大学はゴールであり、現状学力はいわばゴールまでの距離なわけだ。ゴールに到達するためには1歩1歩進んでいくしかない。瞬間移動やどこでもドアのように、必要なステップを飛ばしていきなりゴールに行くことは出来ないのだ。
これを知らずに、みんながやっている勉強をなんとなーく惰性で行ったり、基礎学力をおろそかにしたまま勉強をしても合格は難しい。 理由は明らかで、ゴールに合わない勉強をしても違う方向に進むだけだし、前述のように勉強は一歩一歩進むことでしか成績を上げることはできないからだ。
志望大学の傾向を調べるために最低限やるべき5つの手順
志望校分析をする際、具体的にあなたにやってほしいことは以下の5つだ。
- 「知らないと100%落ちる赤本・過去問の使い方―解く意味、順番、時期―」を読む
- 『赤本の使い方 (大学受験合格請負シリーズ)』を読む
- 『親と子の最新大学受験情報講座(文系編・3訂版)』(or理系編)の「第3章 志望校別合格力養成後編>3or4学校別問題傾向分析」を読んで志望校の問題傾向と難易度を知る(有名大学のみ)
- 『Wikibooks日本の大学受験サイト』を読み志望大学学部の問題傾向を知る(有名大学のみ)
- 『赤本の使い方』の付録シートをコピーしてわかったことを書き込む
これらはもちろん最低限だ。常に情報収集を続けていく必要はあるが、傾向ばかり知っても結局学力が付かなければ意味がない。 まずは以上の5つを行って、あとは勉強しながら少しずつ情報収集や傾向分析を続ければよいだろう。
現状学力を知るために最低限やるべき3つの手順
現状学力を知り、学力に合った勉強を行うことは受験勉強の最重要の原則だ。これを外してしまうと成績は上がりにくくなってしまう。
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英国数の基礎学力は『学習の作法 実践編 東大基礎力養成 中学生のための勉強法』で行う。
英語をもっとテストしたい人は『和田式 受験英語攻略法 三訂版』のテストを解く。英数のテストは『和田式 高2からの受験術 改訂版』で行える。
自分の弱い学力パーツをピックアップする。
『学習の作法 実践編』では中学レベル、高校レベルの英単語、英熟語、英文法、解釈、というようにレベル別、パーツ別のモレを発見できるので非常に便利。
例えば「中学英文法はモレがないが中学レベルの英熟語が抜けている。 高校レベルの解釈になると弱い。数学は計算力が弱い。」というように、漫然と「中学レベルがダメ」ではなくパーツごとに考えると効率よく復習が出来る。それが難しい場合はあまり細かく考えなくても良い。
具体的な勉強計画の立て方
まずは以下の4つを行おう。
- 現状学力と志望校研究を元にして、やるべき勉強は何かをリストアップする。
- 具体的に覚える事、身に付けるべき解法などを「テキストor参考書」を挙げて考える
- 具体的に覚える事項は「ついに解禁。大学受験・受験勉強に最も大切な本質と勉強法を教えます」を読んでみる
- 時期別に身に付けておくべき学力は「受験生必見!高2の3月、高3の5月8月10月の模試の目標と進捗目安」を読んでイメージする
合格のために身に付けるべき学力を考える
例えば東大の英語で合格点を取るために必要な勉強はなんだろうか。英語長文、英文法、英作文、リスニングなどバラエティに富んだ東大の英語を攻略するためには、様々な勉強が必要になってくるだろう。
大問別に必要な力は何か、「どのレベルまで身に付けるべきか」などを考える。東大や早慶など、難関大学はそれだけ対策や勉強法も充実しているのである意味勉強しやすい。 英語長文を攻略するためには主に「英単語、英熟語、英文解釈、英語長文の読み込み量とレベル」を考える必要がある。
パーツごとに分解して、それぞれ必要な力を身に付けよう。予備校に通っている人はテキストを中心に、参考書で勉強している人は参考書を中心に考える。
「早稲田の英単語はシスタンとシス熟で、英文解釈は基礎100まで、長文は速単とCoreまで」という風に、大学の過去問で戦えるようになるまでに身に付けておくべきテキストをピックアップしよう。 そしてそれらのテキストをだいたい10月11月くらいまでに終わらせられるように計画を立てよう。
試験までの残り時間を4つ(3つ)のタームに分けて考える
私は本サイトにおいて、学力を以下のように分けている。
- 【入門】 50以下 共通テスト5割以下
- 【基礎】 50~54 共通テスト5~7割、中堅私大
- 【難関】 55~64 共通テスト7~8割、マーチ
- 【最難関】65~ 共通テスト8割以上、早慶東大
偏差値50以下の人が、1年で最難関大学を目指す人の場合、それぞれのレベルを約2~3か月で身に付けるように勉強するよう提案する。 あなたの偏差値が50以上あるならば3つに分けて考えればよい。あるいは12月までに必要な勉強を全て終えられるようなキツめの計画を立てても良い。
基本的にはおおざっぱな計画でOK。細かく考えすぎない
几帳面な人は、数か月後の計画まで細かく立てようとするが、それはしてはいけない。なぜなら、勉強計画を100%達成しながら数カ月勉強することはほぼ不可能だからだ。 後述するが勉強計画は崩れる物だ。細かく考えすぎると、少し予定が狂っただけでうまくいかなくなってしまう。
- 月ごとの目標は「このテキストをやる」程度の予定でOK
- 週ごとの目標は「このテキストの10p~30pまでやる」という感じで決める
- 明日の目標はわりと細かく立てる。「このテキストの10p~14Pをやる」
1日毎の予定は細かく立て、それ以降の計画は良い意味でおおざっぱに考えるようにしよう。
計画は崩れるもの。崩れて当然と考え、計画が狂ってもいちいち萎えない
完璧主義者の人は、計画が少し崩れただけでやる気を失ってしまうことがある。私もそうだった。
受験生時代、私が100%計画通りに勉強できた人は実はほとんどない。毎日何かしら、予定通りに出来ない勉強があった。それでも受かった。毎日完璧に予定をこなさないと受からないわけではない。むしろ多少の計画の狂いが生じても受かるようなキツめの計画を立てることが重要だ。
多少の計画の崩れは気にせず、モチベーションを下げないように意識チェンジしよう
勉強計画を立てるときにおすすめの勉強手帳
最近出た勉強手帳で、計画も作りやすいものが出たので紹介しておく。
『ゴールから発想する合格手帳』は2014年に出たばかりの勉強手帳。名前にも出ているように、ゴール=過去問から勉強計画を立てられるようになっている。 『合格手帳』と比べると、計画を記入するページがあるのが良い。「南極流勉強法」の人が書いているので、合わない人もいるかもしれないが、手帳として使いやすいものにはなっている。
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