今回は代ゼミの人気古文講師、元井先生の『改訂版 元井太郎の 古文読解が面白いほどできる本』をご紹介する。
本書は最難関大学への古文読解テクニックを身に付けられる本だ。
しかし、その即効性が災いして「読解力がなくてもテクニックで得点できる怪しい本」というレッテルを貼られることも少なくない。
たしかに使い方を誤ると全く効果が出ないこともある。
使い方をしっかり解説するので、使う予定のある人はチェックしておこう。
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基本スペック
代々木ゼミナールの人気講師「元井太郎」先生の参考書。古文読解のテクニックを扱った本。
- [ジャンル]古文読解本
- [問題数]7つの原則(各複数の例題)
- [難易度]難しめ:共通テストレベルの古文はまぁ読める人向け
- [到達レベル]難関→最難関:マーチ→早稲田
- [勉強期間]約2週間:3日で1周×5
- [使用目的]古文の応用的な「読み方」「解き方」を身に付けるため
- [勉強目標]各読解の原則を完璧に使いこなす
- [対象者]最難関大学の古文を解ける力を身に付けたい人
『改訂版 元井太郎の 古文読解が面白いほどできる本』は早稲田・上智や難関国公立大学を目指す受験生に薦められる読解テクニック本だ。
普通に古文を真面目に読んできた人にとっては「目から鱗」のテクニックが満載の本。
私は受験生時代、かなりの古文を読み込んだにも関わらず、共通テストや早稲田の古文でなかなか得点できなかった時期があった。
そんな時期にこの本を読み、得点力が爆発的に向上したのを覚えている。基礎的な読解力がある人にとっては特効薬となるテキストである。
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『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』の評価・使用上の注意点
『元井古文』は評価の高い参考書だが、酷評する人間も存在する。ネガキャンも多分に含まれるだろうが、使いこなせない人がいることも事実だろう。
ではなぜ『元井古文』を使いこなせない人がいるのか。
それは単純に、古文の読解力や読解量が足りていないからだと思う。
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元井古文は読解テクニックを中心に扱った本であるため、基礎的な部分や常識はいちいち解説していないこともある。
普通に古文を読める人でないと上手く学習できないことが多いのだ。
これは英語のパラグラフリーディングと似ている。英語を普通に読めない人がパラグラフリーディングを学んでも効果は薄い。『元井古文』も一緒だ。
共通テスト古文はまぁ普通に読めるとか、志望大学の過去問の文章をまぁ読めるよ、くらいの読解力をつけてから取り組んだ方がいいだろう。
ということで、私は最低でも100本以上、200本程度の古文を十分に読み込んでいるような古文上級者、あるいは古文が難しい大学を受ける人のみに本書を薦めておく。
- 古文上達45→土屋古文100→元井古文
たとえば上のような組み合わせのように、十分に古文を読み込んだ末に元井古文を勉強することを勧める。
マーチまでの大学なら古文の多読で十分な得点を取れるはずなので、私立なら早稲田や上智受験者が取り組むべきだろう。
元井古文を学習したら簡単に得点力がアップする、という態度ではダメ。きちんと普通の読解力を身に付けつつ「プラスαのテク」として採用するのが吉。
『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』の使い方
- 例題を通して各原則を身に付ける。
- 3日~1週間程度でまずは通読する。
- 志望大学の過去問を本書の「分析」方法で分析する。
- 今までこなした古文・問題集を総復習し、各原則を使って読み解きしてみる。
- 7つの原則が血肉化するまで『元井古文』の復習と並行して今までのテキストを復習する。
『元井古文』は少ない例題でテクニックを扱っているため、この本を読んだだけでは得点力は上がらない。
したがって、まずは参考書を1周して各原則を把握し、それを今まで勉強してきた古文の中で使ってみよう。
私は元井古文を読んだ後に、元井の復習と並行して今まで読んできた古文を全て読み直し、解き直した。原則7つをメモして、その7つの原則を見ながら古文を読み直す。あるいは解きなおす。
200本程度の古文を復習しながら元井古文で習ったテクニックを実践することで、7つの原則と実戦テクニックを自分のモノにすることができた。
その後、早稲田の過去問を解いてみると、平均得点は1割ほど向上した(7割→8割程度)。
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