この章では私の受験体験記を書いていこうと思います。一部稚拙な表現や不快な文もあるかもしれません。その点はお詫び申し上げます。 読んでいるあなたにとって、受験勉強をしていく中で大切なものがなにか発見するきっかけになったり、勇気を与えられたら幸いです。

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はじめに

私の出身高校は何の変哲もない公立高校。 県内では進学校ということであるが、地元の国立大学に進学出来ればかなりすごいと言われ、東大や早慶大といった最難関大学に合格する人はほぼ皆無と言ってもよいような学校であった。 そんな学校の中で、私が早稲田大学に行こうと思ったのは高校三年生の秋のことである。

きっかけ

高校三年の夏、部活が終わり、周りはすでに受験勉強を始めていた中、夏休みまでダラダラと過ごしていた私は、9月1日から受験勉強を開始した。 当初は受験勉強をまともにしようとは考えておらず、東洋大学の二部(夜間)に進学出来ればいいと思っていた。

英語と国語の2科目受験だったので、一応9月から形だけでもと思って受験勉強を始めたのである。 10月の下旬、私にとっては勉強を始めて最初の模試を受験した。河合塾の全統マーク模試である。 その時に私は英語で偏差値38という数字を目にする。

当時は偏差値の基準もわからなかったのだが、E判定という意味はわかった。国語は偏差値30くらいしかなかった。 自分の中ではけっこう勉強したつもりだったのだが、英語は半分程度しか取れずボロボロだったので、すっかり勉強のやる気を失くしてしまった。 ちょうどこの時、学校の指定校推薦で、1個だけ早稲田大学文化構想学部の枠があった。

「推薦なら勉強しなくても行けるのかなー」と思っていた私は先生に聞いてみた。しかし聞いた時にはすでに校内出願の期限は切れていた。なんともアホな話である。 しばらくして早稲田の指定校推薦に決まった人の名前を見てみると、全然知らない名前だった。

私の学年は400人以上いたが、名前だけはほとんど知っていたので気になり、クラスに行きその合格者を見る、 いかにも地味でおとなしそうな女の子だった。 早稲田の文化構想学部は文学に強い学部なので、本をよく読む人が推薦では強いとは思っていたが、なんとなく私はそのとき悔しい気持ちがわき出てくるのを感じた。

別に出願して負けたわけでもないのにである。(私のそもそも勝負以前の問題だった) もともと志望学部の系統は文学部系統だったのと、母親が早稲田にいっちゃいなよ、と何の考えもなく発した言葉に影響されて、私はなんとなく、少し推薦合格者に負けたくないという気持ちを持ち志望大学を早稲田大学に変更した。

ほぼ同じ時期に、明治大学や法政大学もいいなと思っていたのだが、「やはりマーチは厳しいか…」と思っていたところだった。 しかし早稲田大学という高いレベルの大学を目指していれば、早稲田は無理でも明治大学とかなら合格できるのではないか?と思い、早稲田大学を目指すようになったのである。 きっかけは母校の指定校推薦となんとない言葉であった。

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始動:志望校を宣言して初めて受験生になる

志望校を早稲田に変えたものの、当初はあまり志望校を周りに言っていなかった。周りに県外の難関大を目指す者もいないし、成績が成績だったからである。 とにかくまずは情報収集だと思って、早稲田大学に関する情報、勉強法、おすすめの参考書などをかたっぱしから集めていった。

本屋に言って受験技術の本を読んだり、ネットで調べていったりするうちによく目にする参考書などをメモして、書店で実際に手に取って確認するというようなことをしばらくしていた。 そういうことをしているうちに、「志望校を周りに宣言する」ということと「勉強法を改善する」という2つのことが大切であると思い実践するようになった。

志望校を宣言するというのは和田秀樹氏の本を読んで学んだことであった。 最初口にするときは恥ずかしかったし勇気が要ったが、いざ周りに言ってみるとなぜか不思議とやる気が出るようになった。

周りに言うことで合格するしかない状況になったということ、早稲田を目指すということで、今まではあまり話すことのなかった意識の高い友達とよく受験勉強について話すようになったからだ。

その友達はかなり優秀で、英語と国語がかなり学習が進んでいたので、私は学習法を聞いたり話し合ったり、英単語はテストを出し合ったりと、切磋琢磨出来るとても大切な存在になった。 勉強法を改善するというのは、9月に受けた模試の結果が良くなかったので、その原因は勉強法にあるのかと思い、出た考えである。

最初は「自分は勉強が出来ないから」という一言で片づけようと思っていたのだが、これまた同じく和田氏の本の中の「元々の頭の良さは関係ない。 大切なのは要領。うまくいかなかったら方法を変えろ」という言葉を信じてみたのである。

英語の勉強状況と方針

模試では100点程度だった英語だが、しばらく大学受験英語というものを調べていくうちに、私のしていた勉強はそんなに間違っていないものだと確信した。 英語は中学英語を最初から勉強して、模試を受けた時は「基本はここだ」を学習しているくらいだったのだ。

覚えた単語も『英単語FORMULA 1700』を曖昧に覚えた程度だったので、それを考えると半分取れたのは妥当な点数であった。 英語の勉強法についての大まかなフレームワークは『和田式 受験英語攻略法 三訂版』を見て学んだ。

やろうと決めていた参考書の多くもこの本の中で紹介されていたので、それらを元に早稲田合格へのプランなるものを作っていった。 それと同時に、英単語の覚え方や英文解釈の勉強法、長文問題集のやり方や音読学習法など、英語学習において必須なものを調べていった。

国語の勉強状況と方針

国語はというと、200点中70点という結果だった。古文漢文はともかく自信のあった現代文が全然取れなかったのはショックだった。 中学から高校1年生くらいまでは国語が一番得意で、定期テストでは1番を取ったこともあるくらいだったからである。

ただ現代文についても、学校のテストで点を取るのと模試で点数を取るのはまったく違うものだということを、受験国語の勉強法を調べるうちに知った。 今までは放置していた現代文もしっかり基礎から学習していこうと思ったのである。 古文については、自分で言うのもなんだがかなり良い勉強法をしていたようだ。

古典文法と単語を軽く覚えて、方丈記などの簡単な古文を全品詞分解する勉強を9月から約1か月間続けていた。 古典文法は大の苦手だったので、よく出るところだけ最小限覚えてあとは文章を読む練習をしようと思っていたのである。『古文読解ゴロゴ』の全文を品詞分解していく作業と音読を1か月繰り返した。

この勉強のおかげで、古文はだいぶ読めるようになってきたのだ。本やネットで調べた勉強法や参考書も あまり違うものでなかったので、古文はそのままどんどん進めて得点源にすることにした。 現代文はあまり得点が安定しないが、古文は暗記要素が強いので覚えさえすれば比較的得点しやすいという性質があることを知ったからである。

選択科目…日本史か世界史か

さて、今までは2科目受験だったので、新たに勉強する教科が増えてしまった。第一志望の早稲田大学文化構想学部の選択科目は日本史・世界史で、当然レベルも高い。 どの科目でいこうか。実は、3年時の授業では日本史を取っていたので、最初は日本史を学習しようと思っていた。

しかし、日本史があまり昔から好きではなく、その時の学校の授業も面白くなかったので、試験科目は世界史にすることに決めた。 それに世界史は日本史よりも広く浅くなので、難しい用語や漢字を覚えなくても済むと思っていた。

さて、いざ始めようと思うが世界史はほぼ初学といってもよく、また一般常識もなかったため、世界史ってどういう科目なのか全く把握できなかった。高1の頃に授業があるにはあったがまったく聞いていなかった。 とにかく世界史の勉強法を調べてみると、最初は漫画を読むのがいいという情報を得た。

どこから手をつけていいかわからなかったし、漫画は大好きなので「この方法はいい!」と思って学研の世界史の漫画を読むことから始めた。しかし、現役の時も浪人の時も世界史には散々苦しめられてしまったのである…。

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加速→4か月でマーチ英語を読めるようになるまで

志望校を宣言し、科目を決定し勉強法を一通り調べ、早稲田大学に合格するための参考書プランと言うのもだいたい決まってきた。

英語の方針

英語はまず、英単語・熟語と英文解釈に力を入れることにした。実は最初、勉強法を調べる前に『英語長文レベル別問題集 5(上級編)』という長文問題集が早稲田レベルと判断したためやってみたところ、1題目で挫折し泣きそうになったいたのである。 (中学英単語とFOMULA、基本はここだをかじったくらいでは当然である…) 和田式本などを参照しながら出来ない原因を紙にまとめながら冷静に考えてみた。

  • 単語が意味不明(全然覚えてない)
  • 英文の構造が見抜けない。(英文解釈が出来てない)
  • 解説を読んでもいまいちわからない、和訳が全くできない。

この「わけわからん」状態の正体は単熟語と解釈(和訳)ができないからと判断した。和田式の学習法を見ても「まずは精読(短文を読めるようにする)」ということが書かれていた。 「長文は結局1文の集まりだから、まずそれをがっちり固めて長文を読んだ方が効率が良い」と考えた。

単語は早慶受験者に人気の『単語王2202 フラッシュ・カード1』、熟語帳は表紙がピンクというのが気に入って以前買っていた『キクジュクBasic1800』、のちにそのアウトプット用として『速読英熟語 』を速読訓練と合わせて学習した。

英文法についてはいわゆる即ゼミ3、『大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ) 最新六訂版』という参考書を涙目になりながら暗記していた。 しかし、相当レベルが高いということと、丸暗記気味に学習していたのは効率が悪いと判断したので、一旦学習を取りやめて長文読解のみでいくことにした。

和田式にも「長文を固めてから文法対策」と書いてあったので文法はバッサリ切った。 さらに早稲田大学文化構想学部の過去問を見てみると、共通テストのような文法問題は一切なかったので、文法問題は最初はやらないと決めた。

英文解釈については、早慶受験者には『ポレポレ英文読解プロセス50』という参考書が人気であることと、『英文読解入門基本はここだ!』の姉妹編であったのでやることに決めた。

だが2冊の間のレベル差がけっこうあるようだったので、これまた定評のある『基礎英文解釈の技術100』『英文解釈の技術100』の2冊を間に挟んで、計4冊の英文解釈の学習を行うことにした。 技術100はちょうど古本屋にあって「これはいい本だ」という直感から以前購入していたのもある。

今思うとややオーバー気味な学習だが、文を正確に読めるに越したことはないと判断したためとりあえず学習することにした。11月に『基礎100』をやり、12月に『技術100』を一通り勉強し終えたのを覚えている。 期間が短いと思うだろうが、私はこの時期は基本的に英文解釈ばかり勉強していたので、1日7題~10題くらいのペースで勉強していた覚えがある。

単熟語は全部スキマ時間で済ませていた。 『基礎100』の後は速熟などの長文を少しずつ読んでいった。前回の反省があるので、レベルは共通テストレベルから始めていこうと思い、『やっておきたい英語長文300』『英語長文ハイパートレーニングレベル2』『英語長文レベル別問題集4 中級編』などの長文問題集をやっていった。

単語王やキクジュク、基礎技術100を学習していたおかげで共通テストレベルはスラスラ読めるようになっていた。 そして12月頃には、以前コテンパンにやられて泣いた『レベル別問題集5』にリベンジをした。以前は宇宙語に思えた長文が面白いほどスラスラ読めるようになっていたのである…!

これは正直言ってかなりうれしかった。前の模試が散々だったので、いま自分がしている勉強が正しいのか実はちょっとだけ不安だったのである。表面意識の上では自信満々でも、実は不安があったんだなと、その時思った。

しかしマーチレベルであるレベル別長文がきちんと読めたという経験は強い自信をもたらしてくれた。英語なら早稲田レベルでも通用するようになると思ったのである。

国語の方針

国語については古文で使っていたゴロゴと同じアルス工房の参考書を現古文漢ともにメインに使っていった。 現代文は『入試現代文へのアクセス』『ターゲット現代文』、古文は『古文単語ゴロ565』のほかに『ステップアップ古文』、そしめZ会の『古文上達 読解と演習56』という参考書が気に入っていたのでそれらで学習していった。

漢文は『銭形漢文』を一通り学習したが、あまりしっくりこなかったので『漢文早覚え速答法』という有名な参考書を学習することにした。 国語はどんどん参考書をこなすだけだった。シャドウティーチングなどの学習は徹底したとは言えなかったので、ぐんぐんとはいかないがそれなりに伸びていった。

世界史の勉強

問題は世界史である。勉強時間自体あまり多くなかったし、好きな英語ばかり勉強していて、世界史はいつもやらずじまいだった。 漫画は読んだが、実際に教科書などを読んでいく段階になると、さっぱりわからないし量も多いのですぐに挫折するというのを何度も何度も繰り返した。

さすがにまずいと思って、『ナビゲーター世界史』という参考書でちゃんと世界史を勉強するぞ!と決意して学習を開始したのがたしか大晦日の夜のことである…汗

現役時は不合格…そして浪人へ

そんなこんなで学習を進めているうちに年が明けた。共通テストは受験しなかった(というより気づいたら出願締め切りを過ぎていた) 学校のみんなが共通テスト対策であたふたしている中、私はひたすら早稲田の試験のための勉強をしているのに特に不安は感じなかった。

むしろ私大受験者なのに共通テスト対策している人は一体何をしているのだろうか? と思っていたくらいである。 ただ勢いに乗ってきた勉強の甲斐なく、現役時は結局不合格。受験校は早稲田大学の文化構想学部1つのみ。 世界史のことを考えると早稲田どころか明治や東洋大にも受かる気がしなかったので1つだけしか受けなかった。

浪人前提で受けたのである。これはあまりよくない考えだった。現役の時から浪人のことを考えるのはあまりいい姿勢ではなかったと思う。現役時は落ちて当然だった。 勉強を開始する時期から、志望校を目指すきっかけから、はじめから浪人を視野にいれていたことなど、もろもろ全て含め、落ちるべくして落ちたのである。

現役時まとめ

最後に、現役時の私について良いと思ったところと悪いと思ったところを挙げて現役時代の話を終える。

よかった点

  • 「勉強法や参考書などについてとにかくいっぱい情報をあつめ実践したところ」
  • 「周りに志望校を宣言したこと」
  • 「切磋琢磨出来る友達を作ったこと」
  • 「中学英語からスタートしたこと」
  • 「英語、古文ともに文章中で単語を覚えることを重視したこと、品詞分解を丁寧に行ったこと」

悪かった点

  • 「勉強を開始するのがとにかく遅い。いますぐに始めることが大事」
  • 「現役で絶対受かると思ってやらなかったこと。これは一番危険な考え」
  • 「ゲームや漫画をやめなかったこと。」

次は浪人編をお読み下さい。 早稲田合格体験記ー浪人編ー

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