今回は富井健二の古文参考書『富井の古文読解をはじめからていねいに』をご紹介する。
本書は古文を読むための超基礎的な読解技術を学ぶための参考書だ。
単語と文法と、短文解釈もある程度できるようになったけど、長文になるとさっぱり…という人に強く薦められる。
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基本スペック
- [ジャンル]古文読解技術本
- [問題数]習得(長文)問題24題、例文多数
- [難易度]易しめ:短文解釈が出来れば使いこなせる
- [必要学力]300語程度の単語、最低限の文法、短文解釈力
- [到達レベル]中堅レベルの古文が読める
- [勉強期間]2週間から3週間
- [使用目的]古文読解に必要な読解技術・古文常識を身に付ける為
- [勉強目標]本書の読解技術を持って各古文をスラスラ読めるようになる
- [対象者]短文解釈を終えた古文初級⇒中級を目指す人
『富井の古文読解をはじめからていねいに』は東進の富井健二先生の古文読解入門書。長文を読むときの様々な基礎知識や古文常識、ジャンル別の読解法などを解説している。
『富井の古典文法をはじめからていねいに』とタイトルが非常に似ているので間違って買わないように注意。
- 単語や文法は覚えたけど全然古文が読めない
- 1文1文はなんとかわかるけど、長文になると何の話かわからなくなる
こんなお悩みを持っている受験生は本書が役立つだろう。
構成
具体的にはどのようなことを学ぶのか、本書の中身を見たことない人はなかなかイメージが出来ないと思うので、本書の目次を挙げておこう。
- ステージⅠ「センテンス」の森
- ①省略とその対策
- ②主語同一用法
- ③主語転換用法
- ④心中表現文を区切れ
- ⑤会話文を区切れ
- ⑥挿入句を区切れ
- ⑦地の文の尊敬語
- ⑧尊敬語と特別な尊敬語
- ⑨「 」の中の尊敬語
- ⑩「 」の中の謙譲語
- ⑪「 」の中の丁寧語
- ⑫文法と読解~主語をめぐって~
- ⑬文法と読解~感覚をみがく~
- ステージⅡ「常識」の洞窟
- ⑭男女交際の常識
- ⑮生活の常識
- ⑯官位の常識
- ⑰夢と現
- ⑱方違へと物忌み
- ⑲病気・祈祷・出家・死
- ステージⅢ「ジャンル」の海
- ⑳「説話」の読解
- ㉑「物語」の読解
- ㉒「日記」の読解
- ㉓「随筆」の読解
- ステージⅣ「実践」の鬼が島
- FINAL ビジュアル古文読解マニュアル
ザーッと目次を見て、見たこと内容な言葉があればぜひ読んでみるといい。
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特にステージⅡの古文常識の部分は古文読解に重要だ。また、ジャンル別の読解法を扱っている本も実は少ない。本書を読まないとずっと知らないということもある。
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『富井の古文読解をはじめからていねいに』の内容・評価
①~③がおわったら習得問題、というように3項に1題程度のペースで演習問題がある。
各項目中にも例文が多数収録されてあり、短文解釈もしやすい構成になっている(古文のすぐ左に赤字で現代語訳が書かれている)。
単語と文法を終えた人が、本書の例文を品詞分解しながら勉強できないこともない。が、やはり読解ゴロゴや教科書ガイドなどで短文解釈はやっておいた方が良いだろう。
この本は一般的に「この本だけじゃ伸びない」という評価をもらうことが多いので、演習問題は多くないように思われがちだが、収録されている文章量は決して少なくない。
きちんと読み込みを行うことによって1冊でも十分読解力を高めることができる。
入門書、とはいっても全くのゼロから取り組めるわけではない。一通り単語と文法、短文解釈を勉強した後に取り組むのがベスト。
本書の使い方をわかっていない人が使って低評価を下しているレビューもあるが、参考にしなくていいだろう。
使い方
- 1項目ずつ丁寧に読んでいく。
- 例文を全然訳せない・解釈力がまだまだの人は例文も品詞分解して読み込む。
- 習得問題では覚えた読解技術を使いこなし「説明しながら」本文を読み問題に答えられるようにする。
- 1周したら、復習しながら「今まで勉強した長文」を読み直す。その際、覚えた読解技術をフル活用して読んでみる。
- 全然長文を読んでいない人は『古文読解ゴロゴ』『古文上達 基礎編 読解と演習45』などを読んでみる。
本書を読んだだけで、あっという間に読解力が上がるわけではない。読解の読み方を学んだ上で、大量の古文を読みながら少しずつ読解技術を習得していく。
したがって、本書を一通り読んだ後に復習しながら他の長文を30本、40本と読んでいくことをおすすめする。
私の場合は『古文読解ゴロゴ』⇒『富井の古文読解をはじめからていねいに』⇒『古文読解ゴロゴ(復習)』という順で勉強した。その後にさらに問題集を解くことで本書の内容を完璧に身に付けることがポイントだろう。
本書は読み込み本としても優秀なので、全品詞分解をした補助教材を現在開発中である。
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