現代文という科目で不思議な現象が起こることがある。「日本語なのに問題文が理解できない」ということだ。

英語ならわかる。外国語だから読めないのも納得がいく。しかし現代文は「日本語」であるにも関わらず得点が安定しなかったり、文章を理解できなかったりする。いったいこれはどういうことなのか。

実は、現代文のセンスや読解力を構成する要素として「背景知識」という、評論文でよくテーマとなる分野の基礎知識が重要なのだ。

この背景知識が不足していると、文章を十分に理解できない現象が生じてしまうことがある。

その対策と勉強法について解説を行い、あなたの読解力を向上させることを約束しよう。

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現代文の隠れたセンスである「背景知識」とは?

入試に出題される評論文では、あるテーマについての文章が題材となることが多い。それは科学や宗教、経済や政治、言語や文化といったテーマだ。

もしあなたがこれらのテーマについての興味が薄かったり、何も知らなかったら、「文章は読めるけど、何を言っているかイマイチ理解できない」ということになってしまう。

たとえば、スポーツに疎い女の子が「サッカー」や「野球」雑誌を読んでみるとしよう。その女の子は超優秀で、現代文の偏差値は70を超えている。しかし仮にその女の子がサッカーや野球に興味がなくルールについても知らなかったら、おそらくその雑誌の内容を読んでも楽しくないし理解もできないだろう。
あなたが理科に興味がなかったら理系雑誌を読んでも眠くなってしまうだろう。

実は現代文の模試、試験においても同じようなことが起こっている。現代文で頻出するテーマについて全く知らないと、その内容が全然頭に入ってこないのだ。

背景知識が不足しているために、文章が理解できなかったり得点が安定しないことがあるのだ(もちろん他にも要因はあるかもしれない)。

もしあなたが、マーク模試の文章をイマイチ理解できなかったり、評論文の得点が10点~40点の間でユラユラ安定していなかったら、背景知識を勉強してみることをおすすめする。

評論でテーマとなる基礎10語

「具体と抽象」「普遍と特殊」「絶対と相対」「主観と客観」「理性と感性」

これらの用語は『読解を深める現代文単語』の第1章から取り上げた基本用語だ。これらの用語の辞書的な意味だけでなく、評論文でどのように扱われるのかというレベルまで知っておかないと、評論文の読解は難しいことになる。

その他の重要な評論語例

ロゴス、イデオロギー、国語、パラダイム、分析、アイデンティティ、実存、コンプレックス、葛藤、合理主義、個人主義、国民国家、資本主義、ポストモダン、グローバリゼーション、冷戦、ナショナリズム、ファシズム、ヴァーチャルリアリティ、コード、文化相対主義、オリエンタリズム、共同体、ハレ、カタルシス、内面化、言文一致、秩序、捨象、矛盾、一義、デジタル、象徴、隠喩、アイロニー、ステレオタイプ

これらも『読解を深める現代文単語』からランダムに抽出した用語だ。こういった言葉の意味やその背景を知らないと、文章を読んでもいまいち理解できなくなってしまう。

特にロゴス、イデオロギー、アイデンティティ、合理主義、共同体などは非常に重要。これらの言葉がプラスorマイナスどちらのニュアンスで扱われることが多いかも知っておくべきだ。

たとえばイデオロギーや合理主義は、筆者がネガティブな意味合いで使うことが多い。もちろん「絶対」ではないが、そういった使われ方も知っておくと読解の助けになる。

ちなみに、絶対という言葉も正確な意味を知っているだろうか。私が上で使った「絶対」とは意味が違うと言うことも知っておくべきだ。

「絶対=きっと」といった意味しか知らないならば現代文の成績が上がらないのも無理はない。

背景知識を勉強できる参考書

「評論用語」「キーワード」といった名前のついた参考書は、背景知識を扱った参考書であることが多い。

読解を深める現代文単語

『読解を深める現代文単語〈評論・小説〉』は評論文と小説用語を同時に勉強できる参考書だ。詳しい内容は「読解を深める現代文単語 シリーズ解説と受かる使い方」をチェックしよう。

小説用語も収録しているので国公立大学を受験する人におすすめの参考書だ。

読解 評論キーワード:頻出225語&テーマ理解&読解演習50題

『読解 評論文キーワード:頻出225語&テーマ理解&読解演習50題』はキーワードを学びつつ、50の評論文の中でキーワードを確認出来る本。入試問題を50題配置。文章を読みながらキーワードを確認できる。

『読解を深める現代文単語』は入試問題が10題なのと比較するとかなり多め。現代文が苦手な人が使うとやや大変だが、どっしり構えて現代文を勉強できる人にはぜひおすすめしたい。

コンセプトとしては『現代文キーワード読解』と似ているが、あちらは文章が短い。両書ともに一長一短あるが、こちらのメリットとしては、ある程度長い文章なのでそのまま精読することで読解力がつきやすいことだろう。

『キーワード読解』の方は文章が短めなので読解力養成については期待できないが、『速単』のように文章中でサクサク用語を覚えられることがメリットと言えるだろう。

現代文キーワード読解

『現代文 キーワード読解 頻
出テーマ×必修語160×入試問題』はZ会の現代文用語集。入試問題文を読みながら用語を勉強できる。特徴は上述の通り。

用語レベルは高めなので、早稲田の文学部など現代文が難しめの大学学部を受ける人が使うと良いだろう。

背景知識の勉強法のポイント・注意点

  1. 基本的には参考書の文章をどんどん読み進めていく。
  2. 用語やテーマは辞書的な意味を丸暗記してはいけない。
  3. その用語についての説明を出来るようにすることが基本的な勉強のゴール。
  4. たとえば「近代合理主義」とは何か。参考書を読んで自分で説明してみる。その概要、歴史、評論文ではどのようなニュアンスで言われるのか。
  5. その用語がネガティブorポジティブどちらの意味合いで使われることが多いかを覚えておく。
  6. 用語の説明をする時には必ず具体例を交えるようにする。参考書に書いている場合はそれをそのまま引用してもOK。あるいは自分で具体例を考えて参考書にメモしておく。
  7. 各用語の関係づけが整理しづらい場合は絵や図を大き目の付箋に書いて貼ってみるのもうまい使い方。イメージで理解することはどの科目でも重要な技術。
  8. まずは参考書を2週間~3週間程度で一通り読んでしまう。もっと短期間で読んでもOK。
  9. 1周した後はもう一度最初から読み直し、1つ1つの用語をきちんと説明できるか丁寧に確認する。
  10. 友人に用語を説明してみるのは最高のアウトプット。現代文が苦手な友人に自分が重要だと思った用語を説明してみよう。