今日は自宅で受験勉強をする宅浪受験生に向けた記事を書く。 宅浪でない人も「家でなかなかうまく勉強ができない…」という人は参考にしてほしい。 自分の家で長時間集中して勉強を継続するためには高いモチベーションと高い意識、高い集中力が必要になってくる。 それがない人はハッキリ言って宅浪に向かないのでやめた方がいい。 浪人生は「塾・予備校で勉強する」か「自宅で独りで勉強する」の2つがあると思う。「家庭教師」という選択肢もあるが、その場合も基本的には家で勉強することになるだろう。 いずれの場合でも「こういう人は浪人しない方が良い」という特徴を書いた記事がある。
まだ読んでいない人は先にこちらを読んでみよう。
宅浪は「完璧な受験生」でないと成功しない?!
私は、受験勉強スタイルの中で、最も自宅浪人が難しいものだと考えている(常人にとって)。なぜなら、塾や学校へ通う場合よりも、モチベーション維持や自己管理が非常に困難だからだ。 自宅で毎日決まった時間に起きて勉強し、率先して家事をして、勉強以外のことはなるべく考えないようにし(これがけっこう大変)、孤独に耐えながら毎日を過ごす…。
ハッキリ言って苦行以外の何物でもない(笑)たいていの人が宅浪に失敗するのも、ある意味仕方ないことかもしれない。 それでも、自宅浪人をせざるを得ない人は、完璧な最高の受験生になる必要がある。モチベーション維持や自己管理をきちんと行えて、常に高い意識で勉強できる受験生になるということだ。
浪人生がやってはいけないことや、やるべきことは「不合格・失敗する浪人生の10個の特徴、10個のFAQ、7個のToDoリスト」でまとめているのでぜひチェックしてほしい。
宅浪の失敗パターンを克服しよう
上にも少し挙げたが、自宅浪人が困難な理由はいくつか考えられる。
- 自宅での勉強習慣を作りづらい
- 人と会わないため気分が滅入る
- 受験生とのコミュニケーションがないため高い意識を維持しづらい
- 家族との関係が良くなく家なのにアウェー状態
- 運動不足になりがちでやる気を維持できない
他にもあるだろうが、やはり一番大きな原因で、悩む人も多いのは自宅で勉強を続けられないことだろう。 勉強を続けられない理由はいくつか考えられるが、自宅浪人の場合、意外に見落としがちなのが人とのコミュニケーションだ。 人は、人とかかわっていないと生きていけない。
コミュニケーションがいきなり激減すると著しく精神が不安定になりやる気が続かなくなったりする。 家族でもいいので毎日よく話すこと。定期的に友人と会って話したり遊んだりする機会を設けよう。 もし、あなたに受験生の友人・仲間が一人もいないとしたらマズイ。一人で長い受験勉強を続けられる人はそうそういない。
「StudyPlus」などのSNSなどで、意識の高い受験仲間を作ったりしよう。 私は、家族との関係が悪かったり遅めの反抗期に入っている人間が浪人をするべきではないと考えている。 浪人は家族との協力関係が重要だ。
家族は自分の受験勉強を経済的にも精神的にも支えてくれる存在だ。その家族との関係を良好に保てない人間が、浪人を成功させることは難しいと思う。 受験生と浪人生の間の不和は、基本的に「相手が自分をわかってくれない」と考えることにある。
「相手のことを理解してから、初めて自分のことを理解してもらう」という考え方をしないと、人はわかりあうことは出来ずに敵対したままになる。 これは『7つの習慣
受験での家族関係の改善に大いに役立つと思う。 宅浪生は家事を積極的に行うことをおすすめする。家族の生活を助けて、自分のためにもなるはずだ。家事は思った以上に身体を動かす。 体が鈍りがちな受験生には良い運動になるし、親にとっても助かる。
「家事はやらされるのではなくて、勉強のために率先して行う」という主体的な考えで実行するとよいだろう。 それぞれの項目を軽くさらうだけになったが、今後この「宅浪の失敗パターンと解決策」について詳しく解説したいと思う。この部分だけ読んでもよくわからなかった人はぜひ質問をしていただければと思う。
宅浪生は何時間勉強するべきなのか?
- 時間なんか気にせずに1日中「受験勉強に投資」せよ。
宅浪生に限らず、受験生なら誰でも「1日何時間勉強すべきか」と考えるのではないだろうか。ハッキリ申し上げるが、勉強時間を気にするだけ合格は遠のくと思った方がいい。 受験勉強はどれだけ時間を投資できたかが重要だ。勉強はやれるだけやった方がいいに決まっているのだ。
1%以下の「例外=少ない勉強時間で合格する人」の成功例が目立つことで、「逆転合格した人が多い」ように感じてしまうかもしれない。しかし実際は、10時間勉強を1年間続けても落ちる人もたくさんいる。 難関大学になると、10人に1人しか受からないところもあるのだ。毎日10時間勉強するなんて当たり前。
その中で「時間に満足せず実質を100%重視し」「100%集中して勉強し」「効率よく勉強」できた人だけが合格することができる。何時間勉強すれば受かるなんて安易な考えをする人間が入り込む隙間などない。
私の知っている外大志望の宅浪生(勉強は見てない)も、1年間宅浪で努力してきて、共通テストで目標点は取れたが、上智にも明治にも落ちて日大しか合格することができなかったという。共通テスト英語で9割取れる実力でも、だ。受験戦略のミスもあるだろうが、受験は甘くないことを痛感出来るだろう。
合格までに必要な勉強量を算出せよ
勉強は時間で考えてはいけない。 志望大学に合格するには何をどのくらい勉強しなければならないのかという目標を立て(ゴールからの発想)、g>その量をこなすためには何時間勉強する必要があるのか、という発想をしてほしい。
「1日3600時間勉強します」という目標を立てていた宅浪生がいたが、このように勉強時間を目標にするのは最も危険な考えだ。3600時間勉強しても合格できる保証はどこにもない。「勉強しているフリ」を毎日12時間続ければそれは簡単に達成できる。そのような勉強では受かるわけがない。 勉強は時間ではなく「量」そして「習得率」で考えなければならない。「英単語を1日200個覚える」という量と「200個こなした単語を何%覚えているのか」という習得率が大切なのだ。
もちろん、受験生は何をどのくらい勉強すればいいのかわからないと思う。 それでも、当サイトなどを参考にして大まかな計画を「ややきつめに」立ててみてほしい。自分が行った勉強が足りないと分かった時の保険の意味を込めてキツめに立てるのだ。
「自分で考えた勉強量をバリバリこなしていたら、1日12時間程度勉強しないとこなせないよ…」という風にならなければならない。最初から時間を目標にしないようにしよう。
最初に必要な勉強量を立てて、めいいっぱい勉強する。気づいたら1日中勉強していた、くらいでないといけない。
宅浪生は基本的に早寝早起きせよ
私は基本的に早寝早起きをおすすめしている。早寝早起きの方が生活習慣を維持しやすいと考えるからだ。 現代人はどんどん寝る時間が遅くなってきているが、やはり寝るのが遅いとそれだけ体にかかる負担が大きいと思う。
特に夜12時を過ぎてからの体にかかる負担は相当なものだ。もちろんこれは私の感覚なので万人に当てはまるわけではない。自分もそうだと感じる人だけ実行すればよい。
私は毎日5時~6時くらいに起きて7時には勉強を開始し、22時には床に就くようにしていた。早く寝る事で夜ダラダラ携帯をいじって夜更かしすることがなくなり、勉強のリズムをつけやすくなった。
毎日必ず運動をせよ!
受験勉強はみなさんが思っている以上に体力が必要だ。長時間、椅子に座って集中する。これは実はとても体力がいることなのだ。 ふらふらとなんとなく動いているより、姿勢を維持してじっとする方がきついのだ。 姿勢を維持することから、勉強を長時間していると必ず体が凝ってくる。
体が凝って固くなるとやる気や集中力が低下してくる。身体が凝るということは体調が悪くなると思っていいくらいだ。 体調が万全でないときに、高いモチベーションや集中力は当然出ない。
しかし、受験生はあまり自分の体のことをいたわってあげる考え方がないので(私もそうだった)、勉強を続ければ続けるほどやる気がなくなっていくことに疑問を持つ。 不思議とやる気が下がってしまったら、運動をして体の凝りをほぐすようにしてみよう。
そのためには定期的な運動、出来るだけ毎日、毎時間のこまめな運動が重要だ。 私は出来るだけ毎日散歩をしたりランニングをしたりしていた。休憩時間にストレッチもしていた。筋トレをする人もいるが、ぜひ筋トレもした方がいいだろう。自宅浪人は筋肉が衰えがちだ。
常にイヤホンを耳に突っ込んでながら勉をせよ!
宅浪生は基本的に1日中「自分の時間」だ。それゆえに、ダラダラ勉強したりうまく勉強できなくなったりしてしまう。暗記が苦痛になることもある。 私は基本的に「暗記モノや復習は机以外でやる」ことをおすすめしている。まず英語や古文単語の暗記などは、CD音声を利用して「ながら勉」で覚えよう。
勉強の休憩時間、食事時、お手洗い時など、机にすわっている時間以外はいつもiPodでDUOなどの英語音声を聞いていた。家事をしている時や散歩している時、息抜きでマンガを読んでいる時も常に半分意識を耳に傾けておく。これだけでもある程度の暗記効果はある。
もちろん暗記も常に集中してやれればいいが、長時間勉強に集中できない人はまず「6時間机で集中、6時間ながら勉の暗記」を目標に「1日中勉強漬けに慣れ」よう。
勉強が当たり前になり、勉強していないと気持ち悪くなってきたら、どんどん集中して勉強する時間を増やしていけばいい。 この「ながら勉のような暗記の技術」は以下の2冊で詳しく書いてある。ぜひ読んで実践してみてほしい。
宅浪生は、音声を聞いていかに負担やストレスの少ない暗記勉強を増やせるかが合格のカギだと思う。浪人生にとって最大の課題は勉強を継続することだ。宅浪生ならなおさらだ。 ストレスを感じず、なかば強制的に記憶作業を続けるために、音声を流して耳に叩き込む方法はうってつけの方法というわけだ。
宅浪生の1週間のスケジュール
これはあくまでも私の場合だが、私は毎週日曜日をオフにして、運動や息抜き、読書、勉強法の本を読む、勉強計画の見直しなどをして勉強はしていなかった。
その方が月曜から土曜までの勉強がスムーズにいったからだ。 1年間の浪人生活は長い。300日近く毎日フルスロットルで勉強できる人はほとんどいないだろう。 大人でさえ、1年毎日働きづめでは身体が持たないはずだ。きちんと休息を入れながら勉強した方がいい。
私の場合は、まず月曜から日曜までのノルマを立て、それを「6日間に圧縮」し、それを達成したら日曜思いきり遊ぶというルールを設けていた。 もちろん休みたくない人は休まずに勉強すればいい。休まなくても勉強を続けられるなら勉強できるに越したことはない。 自分で必要だと思えば休めばいい。こういうのも「誰かがこう言っていたから」で決めるのではなく、自分の判断で決めよう。
朝起きてから夜寝るまでのスケジュール例
私の宅浪時の1日の行動をあくまで例として挙げてみよう。
- 6時起床→朝食と散歩(し
ながら英語)
起きる時間は5時だったり7時だったりとあまり安定していなかった覚えがあるが、それはあまり問題ではない。 大切なのは想定していた時間より遅く起きてしまっても落ち込まないこと。起きるのが遅かろうが、起きてすぐ勉強すれば大した痛手にはならない。 私の場合は完ぺき主義になっていちいち萎えていたので、寝坊しても気にしないことにしていた。
- 7時~8時半 1コマ目
90分1コマ勉強する。午前中は頭がさえていたので英語や現代文などの思考科目を勉強していた。朝ねむい…という人は睡眠と寝起き時を見直した方がいい。朝はすっきり目が覚めて頭が冴えているような状態を作ろう。
- 8時半~9時 休憩(しながら復習や暗記)
正確には休憩ではないのだが(笑)ソファーに寝そべりながら単語暗記や復習をしていた。 ゴロゴロしたり体を伸ばしながら単語王のカードをめくったり、世界史の一問一答をペラペラめくったり、英語CDを聞いてシャドウイングしたりしていた。 あまり復習のやる気が出ないときは素直に休憩していた。
- 9時~10時半 2コマ目
1コマ目とは別の科目を2コマ目で勉強していた。科目をコロコロ変えた方が勉強に飽きにくいからだ。
- 10時半~11時 休憩(しながら暗記や復習、運動)
2コマ勉強すると体が若干凝ってくるので、散歩やテニスの壁打ち、サッカーのリフティングなど体を軽く動かしたり、家事をしたりしていた。当然この時も耳にはイヤホン。 だいたい休憩時間でDUOを毎日1周はしていた。2600語を毎日こなしていたのだから、語彙力で不自由したことはほとんどない。
- 11時~12時半 3コマ目
日によってはこの時間帯に眠くなることがあるのが大変だった。思えば、ここで眠くなるのは運動せずに休憩時間に復習などしていた日だったかもしれない。
- 12時半~13時半 昼食+30分勉強
昼食を取って、少し勉強をしていた。
- 13時半~14時 昼寝
昼食を食べて、およそ30分後に眠気がやってきたので、部屋にあるソファーにうつ伏せ状態で昼寝をしていた。 15分~20分程度を目安に昼寝をしたら、午前中の勉強ストレスをゼロの状態に戻し、朝の1コマ目のようなリフレッシュした気分で4コマ目を始めることができた。 「勉強のための快眠の習慣と絶対やってはいけない悪眠の習慣」でも昼寝の仕方は紹介したが、ポイントは寝にくい状態で寝る事。昼寝では熟睡できる環境、体勢で寝てはいけない(ベッドや布団は厳禁)。
- 14時~14時半 書店へ散歩
これは日によって行ったり行かなかったりだが、徒歩5分程度の近所の書店にほぼ毎日通っていた。特に目的はなく、散歩ついでに参考書コーナーへ行って本をチェックし、合格体験記などを少し読んで帰っていた。
- 14時半~16時 4コマ目
寝起きがかなり良くて集中力が高まっていた時はすぐに午後の部、4コマ目を始めていた。4コマ目は古典をやるのが多かったと思う。
- 16時~16時半 休憩(しながら暗記や復習)
この時間帯になると若干疲れが出てくる。
- 16時半~18時 5コマ目
5コマ目は復習を多めに取ったりしていた。科目はその時の気分。4コマ目までですべての科目を一通り勉強していたので。
- 18時~18時半 ランニング
夕方になると毎日20分程度のランニングをしていた。近所の小学校まで行って帰ってくる。調子の良い日はもう1キロ先のブックオフまで走る。
- 18時半~20時 6コマ目
1日の復習や、やり残したこと、英語か世界史を勉強していたと思う。この頃になると頭がパンパンになっているので、あまり集中力の要する勉強はしていなかったと思う。ここまででおよそ11時間程度勉強していることになる。
- 20時~21時 バッファ(余裕時間)
これまで書いてきた行動は全て予定通りにいくわけではない。昼寝が長くなったり勉強がずれ込んだりすることもしょっちゅうあった。その時はこの時間帯を充てて借金を返済していた。 最後に、1日の反省と明日の予定「勉強ノルマリスト」などをメモし、1日の勉強を終える。
- 21時~22時 お風呂、寝る準備
ランニングの後にお風呂に入ることもあったが、だいたいは寝る1時間前にお風呂に入っていた。私は長風呂が好きなので、1時間くらいお風呂に入っていたこともあった。
お風呂に入った後は布団の上でストレッチ。22時、遅くても23時には就寝するようにしていた。 私は寝つきが良い方ではないので、床に就いてから1時間後に寝る事もしばしば。だいたい23時~24時頃に眠りについていた。
ちなみに夕食をとっていないことになっているが、実際、浪人時代は夕食を基本的にとっていなかった。 私は夜、ご飯を食べると(つい食べ過ぎてしまうので)現役時代は太ったし、胃を寝てる間働かせてしまうと熟睡もできなかったので、夜は食事をとらないようにしていた。
私的にはそれが功をそうしてものすごく熟睡できるようになっていたので、朝と昼にたくさんご飯を食べて、18時以降は極力ものを食べないようにしていた(どうしてもお腹が減っていた時はチョコやパンを食べていた)。
22時以降は勉強禁止にした方がいい理由とは?
これはあくまで私が設けていたルールなので、合う人だけ実践すればいい。私は21時以降は基本的に勉強を禁止していた。それまでに1日の勉強を終わらせなければいけない、というルールを自分に課していた。 消灯時間のように、勉強の終了時刻を設けておくとメリハリをつけることができる。
逆に、勉強の終わりを決めずにダラダラと夜まで勉強を延長させてしまうと、その日のノルマはこなせても翌日以降の勉強に支障をきたしてしまう。 特に私はぐうたらな性格なので、「終わらなかったら延長すればいい」という考えは捨てて「○時までに1日の勉強を終わらせなければいけない」というプレッシャーを作っていた。
とにかく宅浪生は時間がたくさんあると思い込んでダラダラ時間を無駄にしがちだ。 「勉強の矯正終了時刻」を決めてしまえば、時間を無駄にせずきびきびと
集中して勉強できるようになるかもしれない。
思ったよりも時間が過ぎるのが早いと感じる人は試してみてほしい。集中力をつけられるし、生活習慣も乱れにくくなるはずだ。 もちろん夜型の人は別に真似しなくても良い。私はこのスタイルが合っていたのでやっていただけだ。
まとめ、応用と実践の提案
- 10か条を1つずつ試してみる。
- 『7つの習慣』を読んで「成功者の原則」を身に付けてみる。
- 10か条が守れそうにないなら宅浪は諦めて塾に通うなども検討してみる。
繰り返すが、私は自宅浪人をおすすめしていない。宅浪をしなければいけない人は覚悟を決めて取り組まなければならない。