音読学習をしたいけど、どのように読んでいけばいいかわからない。音読を頑張っているけど、ついつい棒読みになってしまう。
昨今、音読学習が流行っているが、その音読を正しく行えている人は実は少ない。
CD付きの参考書も増えているが、その音読学習を細かく指示してくれているものは少なかったりする。
そんな中、細かい音読の手順、方法を学びながら長文を読んでいける参考書が『5STEPアクティブ・リーディング』だ。
今回は比較的新しいがまだまだマイナーなこの参考書を取り上げよう。
『5STEPアクティブリーディング』とは
『5STEPアクティブ・リーディング―単語・聴解・読解・音読・確認』は アルク出版の英語教材。CD付きの「速読英単語」タイプの音読用教材だ。私は勝手に「アクリー」と呼んでいる。
『アクティブリーディング』は音読のやり方がイマイチわからない人、易しめの長文を読み始めたいなぁ、と思っている人におすすめの参考書だ。
音読の正しい勉強法を身に付けられるので、『速読英単語』などの音読用教材をやる前に取り組んでおいてほしいテキストだ。個人的に『入門英文解釈の技術70』などのCD付き解釈書をやる前にもやっておいて、『技術70』の音読復習を効率よく進められるようにしてほしい。
『アクティブリーディング』の基本スペック
- [ジャンル]速単系(音読用教材)
- [問題数]100語程度の長文24題
- [難易度]易しめ:3000語と基礎解釈を仕上げればOK
- [到達レベル]入門→基礎:短文が読める→共通テスト6割程度
- [勉強期間]1.5か月:1日1題×24日+復習
- [使用目的]音読に慣れるため
- [勉強目標]24題をスラスラ読める
- [対象者]高1レベルの短文を勉強し、短めの長文を読み始めたい人
『アクティブリーディング』の構成
『5STEPアクティブ・リーディング』は1つの長文を徹底的に読み込むことでリーディング力を向上させることをコンセプトとしている。 5つのステップで1つの長文を徹底的に勉強し尽くす。
- STEP1:重要語彙をチェックする
各長文に出てくる単語を12語取り上げる。この点は速単と一緒。 - STEP2:リスニングで概要をつかむ
まずはテキストを見ずに、CD音声のみを聞いて「どんな話なのか」という概要を掴む。リスニングが試験にある人は、『速読英単語』などを勉強する時もこのステップを踏んでほしいのだが、いきなり長文を読む人も多い。リスニング力を上げたい人はこのステップをきちんと踏もう。 - STEP3:英文を詳細まで読み込む
「①ざっくり読み」「②じっくり読み」「③さがし読み」という3段階でどんどん読解を深めていく。設問に答えたり、文法構文を確認したりする - STEP4:音読で英文をIntakeする
これが本書のメイン。STEP3までで英文が「わかる」レベルにはなる。たいていの学習者がここまではできるのだが、そこから「できる」というレベルまで勉強する人は少ない。この「わかるレベル」にまで落とし込む勉強がこのステップ。様々な方法で英文を20回音読する。ただ20回音読するだと疲れたり飽きたりするので、本書では以下の方法で音読をする。
- ①発音確認音読2回
- ②サイトトランスレーション2回
- ③センテンス音読3回
- ④スピード音読4回
- ⑤リズムイミテイション3回
- ⑥シンクロリーディング3回
- ⑦『日→英』トランスレーション3回
各段階の具体的な方法は省略する。詳しくは本書を購入して実際に実行してみよう。
- STEP5:入試形式の問題で最終確認する
読み込んだ長文についての設問を解いて確認する。各問題ともに「単語、前置詞、語句補充、和文英訳、英文和訳、要約」の6つの設問で成り立っている。
特に最後の要約問題にはぜひ取り組んでほしい。要約は面倒くさがってやらない人が多いが、要約問題は読解力を高めるには最高の勉強法だ。
なぜなら、長文読解力とは「その文章が何を言っているか理解すること」であり「文章内容をまとめる力=読解力」だからだ。
読解力が高い人間は要約も上手い。私立国公立関係なく、要約問題までしっかり取り組むようにしよう。
『アクティブリーディング』の使い方
『アクティブリーディング』は全て本書の言うとおりに勉強すれば良い。それくらい事細かく勉強法の手順が書かれている。
何点か注意点をあえて挙げるとすれば以下のような点である。
- 本書のやり方を100%守って勉強する
- 「ただ20回こなす」のではなく集中して音読する
- 音読は疲れるので連続で30分以上しないようにする。
- 音読は座ってやるだけでなく、立ちながら・歩きながら行うと良い
- 要約問題もきちんと行う
一気にすべてのステップを勉強するのがきついなら、2日に分けて行っても良い。
『アクティブリーディング』接続の良い参考書
アクティブリーディングは音読の方法を身に付けるための参考書と言っても良い。したがって、本書の後にさまざまなCD付きの英語教材を配置するといいだろう。
- アクティブリーディング→キクタンリーディングor速単シリーズor東大英語長文が5分で~
というように、速単シリーズを後続でやるといいかもしれない。
アクティブリーディングは基礎的な単熟語と短文解釈は終えていないと少し難しいかもしれないので、先に『VALUE1400』などの3000語レベルの単熟語と『基本はここだ』『スマートリーディング』などの解釈書を終えておくとスムーズに勉強できるだろう。
- アクティブリーディング→長文速読トレ①やキムタツ式基礎編など
といった易しめの長文問題集を勉強しても良い。それぞれ300語以上の長文が中心になっているので、100語→300語と標準的な長さの長文に慣れることができる。