今回は安河内哲也先生の長文問題集『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 共通テストレベル編』をご紹介する。

本書は受験生に大人気の鉄板問題集となっている。

SVOCMを図示した構文解説、CD付きでスラッシュ訳のついたページなど、独学で読解力を身に付けるためには最高の参考書だ。

『英語長文ハイパートレーニング』とは

  • [ジャンル]長文問題集
  • [問題数]12題
  • [使用目的]読解力・速読力の向上
  • [勉強目標]各英文をスラスラ読める
  • [対象者]各レベルの長文に慣れたい人

『大学入試英語長文ハイパートレーニング』はオーソドックスな長文問題集だ。最大の特徴はCDが付き、英文のSVOCMの構造解説がついていること。

さらにスラッシュ訳が表記されたページもあり、精読と速読の2つを独学でも十分に同時に鍛えることができる良書だ。

類書の『英語長文速読トレーニング』と比べて構文解説が詳しい。SVOCMが振られているだけでなく、構文のワンポイント解説もある。英文解釈を勉強した後のアウトプット、長文慣れとしては最も使いやすい問題集と言える。

『英語長文ハイパートレーニングレベル1 超基礎編』

  • [難易度]易しめ:共通テスト以前の高1レベル
  • [到達レベル]入門→基礎:中学レベル→教科書レベルの長文慣れ
  • [勉強期間]2週間

『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル1 超基礎編』は文字通り超基礎。高1からでも十分使えるレベル。たとえば『基本はここだ』と併せて使ってみたり、高1生が速読を始めたいと言ったりしたときに使えるだろう。

長文慣れという観点から言えば、このレベルなら設問はそこまで必要ではないかと考える。音読と長文慣れのみを考えると『東大英語長文が5分で読める』等の方がいいかも。

『英語長文ハイパートレーニングレベル2 共通テストレベル編』

  • [難易度]共通テスト
  • [到達レベル]共通テスト:共通テスト6割→7割
  • [勉強期間]2週間

『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 共通テストレベル編』は共通テストレベル。とはいうものの、知識問題がけっこう多め。純粋に共通テスト対策を考えるならば『英語長文速読トレーニングLevel 2』の方がおすすめ。

 

『英語長文ハイパートレーニングレベル3 難関編』

  • [難易度]難しめ:マーチレベル
  • [到達レベル]共通テスト→難関:共通テスト7割→マーチで戦える
  • [勉強期間]2週間

『大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル3 難関編』は難関レベルの問題集。語数はおよそ300語~500語。最後の第12問は685語と長め。

『英語長文ハイパートレーニング』の使い方

  1. 制限時間を測って問題を解く。答えはノートなどに書く。
  2. 和訳問題は構造把握をしっかり行った後に書いてみる(英文解釈勉強法を参考に)
  3. 読解問題は答えの根拠を一言でいいのでノートにメモをする。
  4. 答え合わせをして解説を熟読する。
  5. 本文解説を熟読し、自分の解釈が合っていたか確認し適宜修正。
  6. CDを使い、スラッシュ訳のページを見て英文を音読する。
  7. 英文をナチュラルスピードでスラスラ読めるようになるまで音読を繰り返す。
  8. 直後か翌日、問題をもう一度解いてみる。和訳は口頭で良い。読解問題はきちんと根拠を持って解けるか確認する。できなければもう一度解説を熟読し何度も復習する。
  9. スラスラ読めるようになった状態で最低20回を目安に音読を繰り返す

本書の目玉は「詳しい本文解説」と「スラッシュリーディング」の2つだ。この2つを最大限生かして勉強できるようにしてほしい。

『英語長文ハイパートレーニング』と相性の良い参考書

相性の良い参考書と言うか、本シリーズは詳しい本文解説があるため、各レベルの英文解釈と並行か直後に勉強するとよい。例えば以下のような組み合わせだ。

解釈を勉強した直後、あるいは並行で勉強することで英文解釈のちょうどよいアウトプット+長文慣れになるだろう。 

『速読トレーニング』『レベル別問題集』との比較

安河内先生はこの本の他にも『英語長文レベル別問題集 4(中級編)』『英語長文速読トレーニングLevel 1 (安河内で自信をつける!)』などがある。

CD付きで構文解説が詳しいのは共通で、英文の長さや設問が微妙に違う。それぞれ比較して自分に合いそうなものを選んでみよう。