ここまで3つの戦略をお話してきました。最後に、逆転合格の秘密として「自学自習」のメリットと、授業形式の勉強法では成績を上げられない理由を解説していきたいと思います。

  1. 自分のレベルに合わない授業は時間のムダ
  2. 受け身の勉強になり「分かった気」になる
  3. 最も重要な「自習時間」が取れなくなる
  4. 効率的な勉強法や戦略を教えてもらえない
  5. カリキュラムの進みが致命的に遅い
  6. やる気やモチベーションのサポートをしてもらえない
  7. そもそも塾の先生が受験の事を分かっていない
  8. アルバイトのチューターのアドバイスは害になることも多い

 

【欠点1】自分のレベルに合わないムダな授業を取らされる

受験生を見ていると自分のレベルに合わない授業を受けている事が多いです。共通テストで8割取れないのにマーチや早慶レベルの授業を受けていたり。ハッキリ言いますがこれらの時間も授業料も全てムダです。

なぜならレベルに合わない勉強をしても理解できないし身にならないからです。勉強というのはピラミッドのように必ず基礎レベルから習得していかなければなりません。

中学レベルの英語がカンペキじゃないのに高校英語を勉強することは不可能なように、共通テストレベルや基礎レベルの勉強がカンペキに出来ていない人が背伸びして難しい授業をとっても全く意味が無いのです。

そしてこれはかなり業界の闇とも言えるのですが、そもそも塾や予備校側が進めてくる授業が、本当に今のあなたにとってあっている授業でないこともあります。僕は仕事柄予備校の関係者の話を聞くとも多いですが、とある予備校の友人がこんな事をつぶやいていました。

「全然成績が伸びて無くて、今は授業よりも復習をした方がいい受験生がいるんだけど、会社には何個授業を取ってもらうノルマがあるから、向いてないって分かっててもその子に授業を勧めるのが嫌なんだよね・・・」(数ヶ月後、その友人は予備校を辞めました)

批判を恐れずに言いますが、こういうような塾も存在しますし、あなたがいま取っている授業があなたに合っていなければ正直悲惨です。高い授業料と貴重な時間を費やして成績が1ミリも上がらないのですから(こんな受験生を山ほど見てきました)。

【欠点2】受け身の勉強になり「分かった気」になる

予備校のテキストの殆どには解答・解説が付いていません。参考書には解説が付いていていつでも復習が出来るのですが、予備校のテキストには付いていません。なぜ解説を付けないのか。それは以下の理由です。

  • 先生が授業をしやすくするため
  • 予備校に来ることを義務化するため (ぶっちゃけ解説付けると先生の仕事がなくなる)

などなど。つまり予備校側・先生側の都合で解説を付けていないのです。でも普通に考えればおかしな話で。勉強というのは問題を解いた直後に答え合わせをして解説を読み、自分がなぜ間違えたのかを検討しなければ、あっという間に忘れてしまいます。

時間を置いてまた問題に向き合うのは非常に効率が悪いのです。テキストに解説がついていないから、予備校の授業はどうなるか。板書を取るだけの「ただの作業時間」と化してしまうのです。

【欠点3】最も重要な「自習時間」が取れなくなる

予備校の授業は毎日がとてつもなくハードで疲れます。朝9時から夕方6時頃まで授業があり、人によっては夜8時まで授業が詰まっている人もいます。

ここで改めて伝えておきたいのですが、ハッキリ言って授業では成績は上がりません。上がるキッカケにはなるかもしれませんが、成績を上げるのは授業の後の復習や自習時間なのです。バスケで例えるならば、授業というのはコーチにテクニックを教わるレッスン時間です。シュートはこうやって打てばいいとか、シュートフォームを修正してもらったりとか。

でもバスケをする上で最も重要な時間はいつでしょうか?コーチに教わってる時間?確かにそれも大切です。でも最も大切なのは基礎体力作りや何千回にも及ぶシュート練習など練習時間ではないでしょうか。

コーチに少し教わるだけであっという間にうまくなる人なんていません。1発でスリーポイントシュートがバンバン入る人なんていません。皆何百回、何千回、何万回という反復練習をしなければ絶対に上達しないのです。

勉強でもそれは全く同様です。英単語暗記にしろ長文の読み込みにしろ数学の問題演習にしろ、授業を受けるだけでなく、自らの自習時間で10回、20回、50回、100回と自習時間で反復するからこそカンペキに習得できるのであり、それが得点につながるのです。決して授業の時間で成績が伸びているわけではありません。

しかし、毎日授業が何時間もあって、自習時間が取れなければどうなるでしょうか?当然ながら成績を上げることは難しくなります。1日の自習時間は浪人生なら最低8時間以上、現役生なら最低4時間以上は確保しなければ成績は絶対に上がりません。

【欠点4】効率的な勉強法や戦略を教えてもらえない

塾や予備校では、各科目の教科内容は教えてもらえますが、効率的な記憶の方法や勉強法は教えてもらえません。なぜなら、先生方は自分の授業だけで手一杯だからです。

それに彼らはもともと小さな頃から勉強を積み上げてきたタイプであることが多いため、勉強法を知りません。例えば勉強を小さなころからしてきた人達というのは小学4年頃から塾に通い始め、進学校なら中学生の頃から青チャートをやってきているような人達です。

そんな優秀な人ほどこう言います。「これやっとけばいいよ。出来ないのは出来ないやつが悪い」。そういうだけで、どうすれば勉強ができない人でも出来るようになるのか?というアドバイスは出来ないのです。なぜなら自分達は勉強で苦労した経験がないから。

そんな人達に成績を上げる方法は教えてもらえないのです。

そして彼らは大学入試において最も効率よく点数を上げる方法をちっとも知りません。なぜなら最も効率が悪い授業をしている時点で「お察し」レベルで残念なくらい非効率な方法論しか知らないのです。

【欠点5】カリキュラムの進みが致命的に遅い

例えば英語の英文法の授業は勉強の序盤で一気に終わらせておく必要があります。例えば僕は受験生には最初の3ヶ月で共通テストの文法問題は満点レベルまで上げさせます。

しかし予備校では11月頃になって始めて英文法が全て終わるかな?くらいのスピードでカリキュラムが進みます。日本史や世界史も秋頃になってやっと通史が終わる程度。ハッキリ言ってこの時点で受験は詰みます。

そもそも、こんなペースで合格出来るわけがないのです。ではなぜ、予備校に行ってても合格する人がいるのか?

簡単な話です。合格する人は予備校の授業に出ずに自分で勉強しているからです。

【欠点6】やる気やモチベーションのサポートをしてもらえない

塾予備校では教科内容しか教えてもらえず、自分でやる気を出す方法やモチベーションを維持する方法などは教えてもらえません。

講師や学校の先生はたいていマジメコツコツのタイプが多いため、そういった勉強習慣やモチベーションで苦労してきた人が少ないのです。

だから僕のような超怠惰でやる気が無くて勉強嫌いの人の悩みに答えることが出来ません。「勉強しろ、出来ないならやめろ」そう言われて心を折られた受験生も僕はたくさん見てきました。

受験勉強は心理戦です。メンタルが非常に重要なのです。例えばスポーツではメンタルの重要性も説かれるハズなのに、大学受験ではメンタルのコーチングをしてもらえないのはめちゃめちゃおかしな話で、ハッキリ言いますが生徒を合格させる気が無いとしか思えません。

【欠点7】そもそも塾の先生が受験の事を分かっていない

塾の先生だから受験のことは何でもわかってるはずだ。と言うのは大間違いです。大学生のバイト講師は受験の事も勉強法のことも何も分かっていない素人ばかりですし、予備校講師も英語のことは詳しいけど、大学入試英語のことは全然詳しくない先生ばかりです。

また科目の専任講師は自分の科目のことしか分からないので、科目間のバランスも考えずに好き勝手にアドバイスしてしまいます。国公立大学志望の場合は古文にかける時間は1日30分くらいしか取れないのに、明らかに2時間3時間と必要な量の勉強をやれ!と言われてバランスを崩して落ちた受験生をたくさん見てきました。

受験勉強の合格に必要なのは全科目を総合的に考えた戦略です。そしてそれを考えられるのは予備校の先生ではありません。自分自身で戦略を練る必要があります。

つい先日、とある受験生の相談に載っていてショックだった事があります。「私は国語が苦手なんですけど、塾の先生に『国語は小学生からの積み上げが必要だからもうやることはない。あとは気合で頑張れ。」こうアドバイスされて絶望していた受験生がいました。

ハッキリ言ってその塾の先生は受験の素人です。呆れて何も言えないくらいショックでした。そんな先生のアドバイスを受けるしか無い受験生が可哀想で仕方がありません。

学校の先生も塾の先生も受験の事に詳しくない事も多いですから、アドバイスを求めるのは受験の事を何年も研究し尽くしているプロに頼まなければ不合格になってしまいます。ぜひ気をつけて下さい。

【欠点8】アルバイトのチューターのアドバイスは害になることも多い

これも上と同じ理由で、大学生講師もたまたま大学に合格しただけであって再現性のある勉強法や戦略を教えられるほど受験に詳しくなかったりします。

だから彼らにまともなアドバイスを求めるのはそもそも酷な話ですし、そもそも彼らは割高な時給目当てで塾講師や家庭教師をしているだけであって、教育に熱意が無い人もたくさんいます(僕はたくさんの塾で働いてきて目にした絶望でした)

下手なアドバイスで混乱して成績を落としてしまう受験生をたくさん見てきました。アドバイスを求める人は本当に考えて決めないと悲惨な結果になりかねません。